日立エナジーは10月24日、同社が世界各国で提供したHVDC技術による系統連系の合計容量が、150GW(日本のピーク需要をおおよそ満たす規模に相当)に到達したことを発表した。
今回の合計容量150GWへの到達は、クリーンエネルギーへの転換にともなう需要の拡大を表すもので、同社はこうした需要拡大に対応するため、日立グループに加わった2020年以降、グローバルの拠点全体で8,000人以上を新たに雇用した。
さらに同期間中に、製造とエンジニアリング拠点、研究開発(R&D)に30億ドルを投資してコラボレーションを拡大するとともに、長期にわたる戦略的パートナーとして顧客を支援できるよう取り組んでいる。
本年だけでも、インドの電力品質ソリューションの工場やGlobal Technology and Innovation Centerを設立したほか、スウェーデン、スイス、米国においても投資を行った。研究開発への投資のおもな成果として、環境効率の高い製品・サービス・ソリューションパッケージ「EconiQTM」や、EV向けの「RoadPak」をはじめとした次世代パワー半導体、デジタル技術関連では資産パフォーマンス管理ソリューション「Lumada APM」や、HVDC および電力品質ソリューション向けデジタルツインソリューション「IdentiQTM」がある。
デジタル化とサービス分野においては、人工知能を活用した新世代のLumada APMを提供開始したほか、電力変換・制御ソリューションサプライヤーであるeks Energyを買収した。さらに、コラボレーションの推進として日立エナジーが技術支援した事例として、シャンプレーン・ハドソン・パワーエクスプレスやテネットの「2 GWプログラム」さらに陸上から洋上への送電を行うものとしてプロジェクトライトニングなどがあるという。
こうした継続的な投資は、「日立エナジー2030」成長戦略および日立の 2024中期経営計画に沿うものだという。日立エナジーは、世界の発電容量が現在の4倍となり、送電量が現在の3倍となることが想定される2050年のエネルギーシステムに向けて、継続的に事業を強化していく構えだ。
日立エナジー CEOであるクラウディオ・ファキン氏は、次のように述べている。「電力はエネルギーシステム全体の屋台骨であり、クリーンエネルギーへの転換を促進するものです。今回の発表は、エネルギーシステムに必要な送電網開発を加速するお客さまを支援する当社の取り組みを紹介するものです。日立エナジーは2020年7月に日立グループに加わって以来、グループ各社とのシナジー効果を活用しながら、自身の成長と事業規模の拡大を加速してきました。当社は、一世紀以上にわたり培ってきたエネルギー分野の知見と、デジタル化技術を組み合わせることで、革新的なサービスおよびソリューションをお客さまに提供し続けていきます。また、日立グループとして、ITやOT (制御・運用技術)、プロダクトを組み合わせた独自のソリューションにより、ライフサイクル全体を通してお客さまをサポートしていきます。」