NECと大和証券グループ本社は10月12日、戦略的パートナーシップを構築し、DX(デジタルトランスフォーメーション)による社会課題解決に向けた事業共創を行っていくことについて、業務提携契約を締結したことを発表した。
今回の提携により、両社は大和証券グループが有する資本市場や金融ビジネスに関する専門性、幅広い顧客ネットワークと、NECグループが持つAIをはじめとした先進デジタル技術、DX実装の構想策定から運用までの一気通貫でのサービス提供能力など、それぞれの強みを組み合わせた事業の共創を開始する。
両社が産業分野や企業を超えたさまざまな視点から顧客のニーズを深く理解し、単独では提供の困難な新たな製品・サービスを創出する。これにより、従来から両社が取り組んできた、高齢化社会におけるウェルビーイングの実現やカーボンニュートラルの達成など、さまざまな社会課題の解決に向けた事業上の取り組みを加速させることを目指す方針。
両社の事業共創に関する具体的な取り組みの1つとして、人生100年時代における充実したシニアライフを支援する新たなサービスの開発に取り組むという。
AIや高度データ分析を中心とするデジタル技術の活用により、相続や健康などの課題に対し、1人1人に合った解決策を、誰もが使いやすい形で提供するサービスの開発を目指す。
その第1弾として、資産の承継に関する家族間コミュニケーションの課題を解決するための実証実験を行った。実証実験では、高齢者が家族や先祖に関する想いを深いつながりのある品とともに、デジタル空間上に登録することで、手軽に家族で鑑賞、想いを残し・伝えることができるスマートフォン用アプリケーションを開発し、上記課題の解決策としての有用性を確認したという。
今後、生活習慣病など、加齢とともに増加する健康に関する課題を解決するため、NECの持つAIを活用したヘルスケア関連サービスと、大和証券グループの幅広い顧客ネットワークを生かし、主に高齢世代向けの健康管理や病気の効果的な予防に関する新たなサービスの開発を協議していく構え。