NECは10月11日、企業・自治体のオンプレミス環境における業務システムのデジタルシフト加速を支援する「iStorage Vシリーズ」のエントリーモデル「iStorage V10e」(1機種2モデル)を同日から販売開始し、同月13日から受注開始することを発表した。
今回発表された新商品は、エントリーモデルとして安価なSAS HDD(Serial Attached SCSIという接続規格の略称)の搭載や管理サーバレスでの運用に対応するとともに、既存のVシリーズ上位モデル(iStorage V100、iStorage V300)に搭載しているストレージ管理機能とソフトウェアの中から、バックアップ機能など主要な機能に絞って採用することで価格を抑え、容易な導入を支援するもの。
これにより、仮想化環境のスムーズな導入・運用に加え、AIを使ったデータのリアルタイム分析や大規模データベース管理用途においても安価に大容量データを保存できる環境を提供し、顧客のコスト効率化に貢献するという。
また、既存の上位モデルを含めたVシリーズ全体で、新たにストレージ筐体内データのAmazon Web Services(AWS)へのバックアップに対応したことも発表した。外部ストレージ接続機能によりAWS Storage Gatewayと接続し、筐体内コピー機能を利用して運用できるようになるため、シンプルで効率的なバックアップを実行できるようになる。
加えて、オンプレミスを使用した遠隔地へのバックアップ環境ではファシリティ・運用管理コストが肥大化する、クラウドへのバックアップ環境では設定が複雑化するといった従来の課題に対応し、オンプレミスとクラウドを効率的に使い分けるハイブリッドクラウドを実現するという。
なお、このバックアップ環境を構築するための「クラウドバックアップ導入支援サービス」も併せて用意し、同サービスでは、顧客の規模にあった構成を提案し、スムーズなバックアップ環境構築をサポートする。
さらに、月額固定料金で利用できるサービスの提供も開始し、コストを平準化して初期投資を抑えたいというニーズにも対応する構え。
iStorage V10eは非暗号化モデルと暗号化モデルの2つが用意され、希望小売価格は、非暗号化モデルが314万2000円~(税別)、暗号化モデルが394万2000円~(税別)となっている。いずれのモデルも10月27日より出荷・サービス開始される。