体操競技などを統括する国際団体である国際体操連盟は10月5日、富士通と共同開発している「Judging Support System」(以下、JSS)について、全10種目に対応したシステムの開発を完了し、「第52回世界体操競技選手権大会」(ベルギーで9月30日から10月8日まで開催)において全種目で適用を開始したことを発表した。
JSSとは、体操競技で競技者の動作をセンシングして、AI(Artificial Intelligence:人工知能)が技を自動判定するシステム。分析の結果を画面に表示したり、関節の角度など審判が正確に見たい場面の数値情報を提示したりすることで、同一の基準による正確な判定を支援する。
今回の大会では、従来のセンサー方式からカメラ映像によるAI画像分析に置き換え、かつ富士通が開発した技術をさらに強化することで、体操の高速で複雑な動きを精緻に捉えた分析が可能になったという。
富士通はJSSの開発によって培った、高精細な画像分析技術やノウハウ、およびAI技術などを融合したデータ解析プラットフォーム「Human Motion Analytics」について、Fujitsu Uvanceブランドとして、2024年4月から順次、流通や医療などの幅広い産業に提供していく予定だとしている。