Windows Terminalは開発者にとっても、AI技術者にとっても重要なツールになっている。Windows TerminalはWindows標準のターミナルアプリケーションであり、PowerShellやWSLなどさまざまなコンソールソフトウェアのプラットフォームとして機能している。
2020年、Microsoftは「Windows Terminal 1.0」を公開した。Microsoftがシェルとコンソールを一体化することなく、純粋にターミナルとしてのアプリケーションをリリースしたのはWindows Terminalが初となる。そして、このアプリケーションのリリースと同時に、MicrosoftはコマンドプロンプトではなくPowerShellを使ってほしいというメッセージを発信した。
コマンドプロンプト(cmd)は、MS-DOSからWindows 9xやWindows NTに移行してくるユーザーに対して互換性を維持することを目的として導入されたもので、その目的からも変更を行うことはできないソフトウェアとなっている。すでにメンテナンスモードに入っており、ユーザーがコマンドラインシェルとしてコマンドプロンプトを使うことは推奨されず、代わりにPowerShellを使ってほしいと呼びかけられていた(参考「MS開発者がツイート「コマンドプロンプトじゃなくPowerShellを使ってね」 | TECH+(テックプラス)」)。
しかし、Microsoftはこの3年間で認識を多少軟化させたようだ。Microsoftは9月22日(米国時間)、「Will Windows Terminal Replace Command Prompt?」において、Windows TerminalはコマンドプロンプトやPowerShellなどを統合するツールであり、コマンドプロンプトを置き換えるものではないという説明を行った。3年前の説明から若干ニュアンスが変化している。
コマンドプロンプトはシンプルであることから依然として根強い人気がある。多くのユーザーがその文法とコマンド構文に慣れており、迅速かつ簡単にタスクを実行できる快適なツールだと説明されている。
Microsoftは、コマンドプロンプトの今後の運命は依然として不透明であり、Windows TerminalとPowerShellのようなツールが有益であるという従来の主張を踏まえつつも、Windows Terminalがコマンドプロンプトを代替するものではなく、Windows Terminalがコマンドライン環境の機能を拡張する補完的なツールであると説明している。コマンドプロンプトからPowerShell/Windows Terminalに切り替えてほしいという直接的なメッセージではなく、コマンドプロンプトを好むユーザーが多いという状況を踏まえた説明へと若干ニュアンスが変化している。