DNS / DHCP / IPアドレス管理(以下、DDI)のソリューションを提供するBlueCatは、9月22日に記者説明会を東京都内で開き、5月に買収を完了したIndeniおよびMEN&MICEが手掛けていたソリューションを日本向けに展開するとして詳細を語った。
まず、セールス部門のVP(Vice President)を務めるJason Jackson氏が、「当社のソリューションは複雑なIT管理を容易にする。各組織のポリシーやプロセスを可視化して、さまざまなアプリケーションやサービスをエンドユーザーに提供できるようサポートする」と、同社サービスの特徴を語った。
同氏は続けて、米シスコシステムズとグローバルで戦略的なアライアンスを提携したことを発表した。これにより、シスコおよびパートナー経由でシスコユーザーにもBlueCatのソリューションを展開するのだという。また、シスコのACI(Application Centric Infrastructure)ソリューション向けのAdaptive プラグインの提供も予定されている。日本でも今週から対応を開始しているという。
次にCSO(Chief Strategy Officer:最高戦略責任者)のAndrew Wertkin氏が登場し、「ITシステムが日に日に複雑化する中、人間の手によって管理できることとITインフラの複雑さは徐々に乖離している。この差を当社では"Automation Gap"と呼び、お客様のAutomation Gapを埋めるためにソリューションを展開している」と説明した。
今回同社が買収したindeniは、イスラエル発のネットワークアシュアランスに関するサービスを展開する企業だ。これにより、BlueCatはindeniの技術を搭載した新ソリューションとして「BlueCat Infrastructure Assurance」の提供を開始する。
Wertkin氏によると、このソリューションはプロアクティブ(能動的)なアラート発出が強みなのだという。さらに、オート・トリアージによるセキュリティの自動化も可能だとしている。
同ソリューションは各種ファイアウォールの他、ロードバランサーやオンプレミスのコンポーネントなどにも対応している。単一のサービスだけの健康状態を管理するのではなく、その前後の依存関係まで含めて管理可能だ。
Wertkin氏はアメリカを拠点とする金融サービスプロバイダが同ソリューションを導入した事例を紹介した。導入後に発出されたアラートのうち、約7割がindeniを用いたことで検出されたもので、これは従来のソリューションでは検知できなかったものだとのこと。
もう一方のMEN&MICEは、中小企業・SMB(Small to Medium Business)向けにDDIオーケストレーションを展開するアイスランドの企業だ。同社が提供する「Micetro」の名称は、社名のmiceとマエストロを組み合わせた造語に由来する。
「特に日本では既存のDNSや既存の環境を使い続けたい企業が多いが、Micetroにより迅速に、しかも容易にDDIをオーケストレーションできるようになる」(Wertkin氏)
今回追加した2社のサービスを含めて、同社は販売パートナーなどを通じて国内へソリューションを展開する予定だとしている。