ウイングアーク1stは9月20日、100億円以上の売上の企業に所属する請求書関連業務に携わる会社員を対象とする、インボイス制度に向けた企業間取引の電子化に関する対策調査の結果を発表した。これによると、Peppolを用いた商取引には23.4%が対応予定としながらも、対応しない予定との回答は2022年12月の調査から2倍以上増加している。
同調査は同社が8月25~30日にかけて、100億円以上の売上の企業に所属する請求書関連業務に携わる会社員を対象にオンライン・アンケートにより実施したものであり、有効回答者数は513人。
インボイス制度への対応状況を聞くと、「すでに対応済み」が40.2%、「対応に向けて、すでに具体的に動いている」が42.5%だった。
Peppolを用いた商取引への対応予定では、「対応する予定である」が23.4%となった一方、「対応しない予定である」が16.8%で、2022年12月の調査における7.8%から2倍以上増加した。
Peppolに対応予定とした回答者に配信・受信のどちらで検討しているか尋ねたところ、配信側が25.0%、配信・受信の両方が61.7%だった。
同じく、Peppolに対応予定という回答者に導入の目的・理由を聞くと、「請求書等の規格の違いによるミスを減らすため」が68.3%で最も多く、以下「グローバルな取引にも対応できるため」(64.2%)、「中小企業や大企業が幅広く低コストで利用できるため」(37.5%)と続く。
全回答者に、Peppol形式が新たな選択肢として追加されることにより請求業務はどのようになるかの予想を質問したところ、「かなり効率化する」が13.3%、「やや効率化する」が25.1%となった。
適格請求書発行事業者の登録申請状況では、「すでに登録申請済み」が55.8%、「登録申請に向けて、すでに具体的に動いている」が16.2%だった。
免税事業者の取引先に課税事業者への移行を依頼したかを聞くと、「すでに依頼した」が31.2%、「まだ依頼していないが依頼する予定」が22.8%となった。
取引先である免税事業者が課税事業者への転換をしなかった場合、今後の取引に影響すると思うかを尋ねたところ、「非常に影響があると思う」が18.3%、「やや影響があると思う」が38.2%だった。
取引先が免税事業者のまま(課税事業者へ変更しない)の場合、どれほどの期間、取引を継続する意向があるかを聞くと、「1年間は取引を継続する」が15.8%、「2年間は取引を継続する」が10.5%となった。
調査結果を受け、Business Document事業部 副事業部長 兼 BD事業戦略部 部長の新井明氏は、「インボイス制度の開始目前でも、企業において請求業務の大幅な効率化が見込めるPeppolに対する認知が依然として進んでいないかつ、浸透するかわからないと認識結果から、今のところ対応しないと判断している企業が増えたのではないかとみています」とコメントしている。