エクサウィザーズは9月7日、生成AIの利用実態に関するアンケート調査の結果を公表した。調査には、同社が日本経済団体連合会の後援を受けて8月22日に実施したセミナーの参加者ら368社518名が回答した。アンケート調査は4月末に続いて2回目の実施だという。

調査の結果、生成AIを業務で日常的に活用すると回答した参加者は約20%であり、前回の調査から13ポイント増加していたとのことだ。さらに、特に全社的に導入している企業において利用が定着していることも明らかになった。業種では、金融・保険、卸・小売、医療・製薬において利用が進んでいたようだ。

  • 生成AIを業務で日常的に活用する企業は約20%(資料:エクサウィザーズ)

    生成AIを業務で日常的に活用する企業は約20%(資料:エクサウィザーズ)

今回の調査では、ChatGPTなど生成AIの利用状況を、「レベル1(関心なし)」「レベル2(関心はある)」「レベル3(試しに利用)」「レベル4(時々使用)」「レベル5(日常的に使用)」の5段階に分類し、その活用状況を聞いた。

その結果、レベル5は前回調査の7%から20%へと増加し、レベル4の「時々使用している」を合わせると6割を超す結果となった。また、レベル1とレベル2を合わせた「試していない」層は前回調査の21.6%から減少し9.1%だった。

全体の4割を占めるボリュームゾーンは、前回調査のレベル3「試しに利用」からレベル4「時々使用」へと移行していることから、今後はこうした層の利用者が業務で日常的に使用するための活用整備が重要だと考えられる。

  • 生成AIを日常的に活用している層が増加しているようだ(資料:エクサウィザーズ)

    生成AIを日常的に活用している層が増加しているようだ(資料:エクサウィザーズ)

業種ごとの活用状況を見ると、各業種でレベル5の比率が上昇していた。特に金融・保険ではレベル5が22%だ。製造業界がレベル5の割合が最も低く14%。卸・小売、医療・製薬はレベル5とレベル4の合計が7割以上に達しており、実利用が特に進む領域だと思われる。

  • 特に金融・保険業界で生成AIの活用が進む(資料:エクサウィザーズ)

    特に金融・保険業界で生成AIの活用が進む(資料:エクサウィザーズ)

組織における導入の対象について聞いた結果、全社的に導入した企業においてはレベル5の割合が31%と高いことが明らかになった。特定部門での導入は19%、希望者のみの導入では15%だ。エクサウィザーズはこの結果について、「全社で導入するにあたり、生成AIの利用方針を定め、各部門から出てきたベストプラクティスを共有するなどで、活用が促進されている」と分析している。

  • 全社導入は日常利用の比率が高いという(資料:エクサウィザーズ)

    全社導入は日常利用の比率が高いという(資料:エクサウィザーズ)