関東鉄道、コシダテック、ヤシマキザイ、NTTコミュニケーションズ(NTTcom)は8月29日、関東鉄道・常総線の海老原踏切道(守谷駅~新守谷駅間)において、線路内に滞留する物体を大小問わず高精度かつリアルタイムに検知する「踏切内AI滞留検知システム」を活用した踏切事故の未然防止に向けた実証検証を9月1日から2024年3月31日の期間で実施することを発表した。
同システムは、踏切付近に取り付けた市販のネットワークカメラの映像を、5Gネットワークで、「docomo MEC」に伝送しVAE(Variational AutoEncoder:変分オートエンコーダ)や背景差分技術(移動物体の検出方法の1つで、事前に用意した背景画像と、入力画像の差分を計算することにより移動物体を検出することが可能な技術)を活用してAIにより解析することで、線路内に滞留する物体を大小問わず高精度かつリアルタイムに検知するもの。物体を検知した場合、施設管理者へアラート通知する。
また、取得した映像をリアルタイムに「docomo MEC」へ伝送し一定期間蓄積するため、遠隔地からの現場確認用カメラとしても活用することが可能。
この時に活用される「docomo MEC」は、移動通信網において顧客により近い位置にサーバやストレージを配備しデータ処理する技術であるMEC(Multi-access Edge Computing)を、NTTドコモとNTT Comが連携して提供するサービス。
実証実験後は、7カ月間の実験により得られた結果を踏まえ、同システムの有効性を確認するとともに、線路内に滞留する物体を検知した場合に接近する列車の運転士にアラート通知する機能などシステム改修を図る方針。