富士通とミサワホームは7月25日、持続可能な未来につながる暮らしの提案に向けて、富士通が開発した常時認証技術による暮らしのパーソナライズ化や、家族と訪問者を見守るセキュアな空間に関する検証を2023年6月から2024年1月まで実施することを明らかにした。
実証の場所はミサワパーク東京(東京都杉並区)内のコンセプト住宅「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」だ。この場所はシェアオフィスとして貸し出すパブリックな空間と居住空間が併用される住宅で、検証場所は1階シェアオフィス。
両社の従業員や取引先など一部の関係者がシェアオフィスを使用する際に、入口の専用機器で生体認証登録と自身の好みなどを登録する。シェアオフィス内に設置された生体認証センサとカメラで常時認証を行い、照明機器やスピーカー、モニターなどの住宅機器と連動して、来場者が好む音楽を流すなど、パーソナライズ化された住環境を構築する。
今後は暮らしの設備と連携することにより、生体認証せずに入ってきた来場者や転倒事故をリアルタイムに通知するなど、セキュアな空間を構築しながら暮らしに寄り添いパーソナライズ化された新しい住まいの実現を目指すとしている。
富士通の常時認証技術は、生体認証技術と行動分析技術「Actlyzer」を組み合わせた技術だ。生体認証による本人確認結果を特定のエリアに設置したカメラで撮影された人物情報と連携することで、認証状態を維持しながらリアルタイムにその人物の位置を推定できるという。
これまでは、カメラの設置位置によって各カメラの映像中の人物の見え方が異なり、複数のカメラをまたいで人物をトラッキングするのが困難だったようだ。しかし、複数のカメラ映像を用いてトラッキング中に人物の服装や背格好など外見の特徴を随時抽出して特徴量を更新する技術を新たに開発したとのことだ。
これにより、人物の見え方の違いを吸収しながら複数のカメラ間で人物トラッキングを実現できるようになった。この技術は、住宅内のような区切られた空間を行き来する際においても活用が期待できるという。常時認証にかかる処理はすべてクラウドで処理する設計で、エリア内の機器がその処理結果を受け取り駆動する仕組みだという。