ソフトバンクは7月19日、量子コンピュータの事業での活用に向けて、慶應義塾大学と共同研究を開始したと発表した。まず、分子や原子の振る舞いを量子力学的な枠組みで解析する量子化学の分野における研究を行う。
具体的には、ソフトバンクが慶應義塾大学量子コンピューティングセンターに研究員を派遣し、従来型のコンピュータ(古典コンピュータ)では計算が困難な原子核の量子力学的な効果を、現在の量子コンピュータでシミュレーションする。化学現象のメカニズムと、それに基づく社会実装に向けたユースケースを検証するとのこと。
今回の共同研究を進めることで、度が高いシミューションが可能となり、新薬や新素材の開発をはじめとするさまざまな分野で革新的な発展が期待できるとしている。
将来的には、量子機械学習や組み合わせの最適化など、複数の分野でも研究を進め、5G(第5世代移動通信システム)や6G(第6世代移動通信システム)、IoT(モノのインターネット)などのモバイル技術と連携することにより、量子コンピュータの社会実装に貢献していく考えだ。