シスコはこのほど、ラウンドテーブルを開催し、ネットワーク可視化ソリューション「ThousandEyes」を中心とした、同社のネットワークアシュアランスに関する事業戦略について説明を行った。
ラウンドテーブルには、シスコシステムズ 執行役員 エンタープライズ ネットワーキング事業担当の眞﨑浩一氏、米シスコ シニアバイスプレジデント兼ネットワークアシュアランス ゼネラルマネージャーのモヒート・ラド氏の2名が登壇。マルチクラウドに対応する企業ネットワークのあり方や、インターネット新時代における顧客のエンパワーメントといったテーマについて解説した。
眞﨑氏は冒頭、「クラウド利用とハイブリッドワークが常識になった昨今では、閉域網だけでなくインターネットを使うケースが急激に増えてきている。品質の保証がないベストエフォート型ネットワークは企業側でコントロールすることが難しい」と説明。
続けて、「多くの企業は、ベストエフォート型インターネットを通じてさまざまなアプリケーションにアクセスしている。アプリケーション側の仕組みも厄介で、アプリケーション単体で動いてないケースが多い。そうなると、非常に複雑なアクセスになり、複雑な運用がユーザー体験を阻害しかねない」と、昨今の企業ネットワークの複雑さについて語り、「一元化された管理が必要だ」と語気を強めた。
同社の調査によると、アジア太平洋地域のCIO(最高情報責任者)、IT担当者、開発者の91%が、インフラストラクチャ インサイト、ネットワーク、アプリケーション、サイバーセキュリティなどのデジタル体験の管理を一元化する必要があると回答している。
「ブラックボックスの領域を極力減らさないと、課題解決につながらない。ネットワークの経路全体を可視化して、いつ、どこで、どのアプリのパフォーマンスに影響が出ているのかをすぐ特定することが重要だ」(眞﨑氏)
シスコは2020年に10億ドルでThousandEyesを買収した。同社が提供するネットワーク監視ソリューションは、イントラネット上の端末からインターネット上の利用サービスまでのネットワークについて、経路や障害状況を可視化できる。ラド氏は「ネットワーク上のあらゆるデジタル体験を確認し、把握し、そして改善することができるサービス」と補足した。
またThousandEyesは、時間をさかのぼって問題が発生した時点の状況をグラフ上で確認することもでき、クラウドサービスからインターネットの中継点、エンドユーザーの足回り回線に至るまで、どのレイヤーに問題があるのかを深掘りできる。
ラド氏は、「例えば、AWSの利用停止や、Microsoft Teamsの利用停止といった状況が瞬時に理解できる。局所的な影響なのか、それとも大規模な影響を与えるのかといったことも予測可能だ。ネットワークの課題がどこにあるのかを確認できるのが、ThousandEyesの特徴」と語った。
また、同社は2023年6月にネットワーク製品の管理を一元化する「Cisco Networking Cloud」を発表した。これは、オンプレミスとクラウドの両方の運用モデルを統一し、シスコのネットワーク製品を一元的に管理できるクラウドベースのソフトウェアで、ThousandEyesも統合の対象だ。
「オンプレミスやクラウドで提供されているシスコの製品を一つのプラットフォームで管理できるようにする。そのベーステクノロジーの一つがThousandEyesになる」と、眞﨑氏は補足していた。




