ベネッセホールディングスは6月16日、TMJ、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)発のベンチャーの Hmcommと共同で、生成 AI を活用した次世代型コンタクトセンターの設立に向け、2023 年 6 月より共同プロジェクトを開始することを発表した。同プロジェクトにより既存のコンタクトセンターの業務プロセスを抜本的に改革し、顧客体験の向上と、生産性向上を実現する。

同プロジェクトは、今年 4 月にグループ社員 1.5 万人向けに導入を開始した AI チャットサービス「Benesse Chat(旧名Benesse GPT)」の社内活用推進により、各事業部にて生成 AI を活用した事業発展を追求し、プロジェクト化した第一号案件。

同プロジェクトでは、コンタクトセンターにおける顧客体験を「問い合わせ前の悩み解消」「問い合わせするまでの手続き段取り」「問い合わせした際の品質と効率」の3フェーズに分類し、各フェーズで顧客がスムーズに解決・アクセス・対話が実現できるよう、生成 AI技術を幅広く活用していくという。

はじめはオペレーターの回答支援や応対履歴の要約などで生産性向上を図り、チャットボットの精度向上、自動応答による「つながらない・お待たせする」の解消などへ対象領域を拡大、コンタクトセンター全体の顧客体験と生産性の大幅な向上を3社共同で実現していきたい構え。

具体的には以下の5つの機能を有しているという。

・自己解決の大幅促進
顧客とAIチャットとの自然な対話と、基幹システム連携により、顧客のお困りごとを幅広く・スピーディーに解決
・オペレーター応対前のサポート
つながるまでの待ち時間に、用件をヒアリングし自動回答、電話混雑時のコールバック予約受付など、音声応対サービスを進化
・オペレーター応対中の自動化
音声認識と生成 AI の組み合わせによるリアルタイムな回答支援で、よりスピーディーで的確な応対を実現
・オペレーター研修の効率化
生成 AI を活用したセルフ・ラーニング、ロールプレイングなど、人財育成の仕組みの変革
・センター管理業務の生産性向上
スーパーバイザーなど管理者の定型作業を AI が代行し、オペレータースキルの育成や運営効率向上などの付加価値業務にリソース再配分