「食べチョク」、元クラウドワークス副社長の成田氏が社外取締役就任 AIの研究組織「Food AI Lab」設立

産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは6月1日、元クラウドワークス副社長兼COOの成田修造氏が社外取締役に就任したと発表した。さらに生成AI(Generative AI)の研究と活用強化を目的とした専門組織「Food AI Lab」を設立した。「生産者の”こだわり”が正当に評価される世界」の実現に向け、組織体制を強化した。

主力事業として、マーケットプレイス型の産直通販サイト「食べチョク」を展開するビビッドガーデンは、法人向け事業など多角的に事業領域を広げている。このほど、組織体制の強化のための2つの取り組みを公開した。組織体制の強化1つ目は、6月1日付での成田修造氏の新社外取締役就任。元クラウドワークス副社長兼COOで、事業・組織に深い造詣を持つ成田氏を社外取締役として迎え入れることで、事業と組織の成長を一層加速していきたい考えを示した。

社外取締役就任にあたり、成田修造氏は、「この度、ビビッドガーデンの社外取締役にご指名いただくことになりました。これまでのスタートアップや上場企業での経営経験を活かして、経営陣のひとりとして、事業、技術、財務、組織など、さまざまな観点から適切な提言・助言を行い、ビビッドガーデン社のビジョンである『生産者のこだわりが正当に評価される世界』の実現と企業価値の向上に貢献し、日本の巨大な1次産業の発展に寄与していきたいと思います」と述べた。

▲成田修造氏

ビビッドガーデンの秋元里奈代表取締役は、「成田さんは、マーケットプレイスをはじめとする様々な形態の事業・組織運営の経験を有しており、私たちがこの先数年で直面する経営課題を多く経験しています。また長期的な経営目線も当社のビジョンと一致しており、その広範で多角的な知見は、ビビッドガーデンが1次産業界に貢献していく上で間違いなく強力な推進力となります。『生産者のこだわりが正当に評価される世界』に向けて、一緒に歩めることを大変光栄に思います」とコメントした。

2つ目の取り組みとして、AI技術を活用したユーザー体験の向上、研究開発を推進する専門組織「Food AI Lab」を設立した。「食べチョク」のサービス開始から約6年で得られた膨大な注文・商品データの活用に加え、他企業とも連携して新たなサービス開発や研究に取り組む。

現在、様々な領域でChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)をはじめとしたAI活用の研究開発や社会実装が進んでいる。ビビッドガーデンでは、すでに様々なAI技術を活用し、「商品・注文データをもとにした検索体験の強化(開発中)」「生産者とユーザー間のコミュニケーション活性化をサポートする機能(開発中)」「保有する食材や品種データを活用した企業との連携(開発中)」「顧客からの問い合わせ内容の要約作成など、CS業務の効率化(実装済み)」など、サービス内におけるユーザー体験の向上や社内の生産性向上に取り組んでいる。

今後は、自社の中だけの活用・研究だけでなく、これまでの開発ナレッジを活かしてさまざまな企業様と連携をすることで、より幅広い価値を提供していきたいとし、その第1歩として、AI技術の専門組織「Food AI Lab」の立ち上げに至ったとしている。

▲「Food AI Lab」には、執行役員CTOの西尾慎祐氏などが参加

「Food AI Lab」は、CTOの西尾慎祐氏や機械学習の知見が豊富なエンジニアの小川恭史氏、金融機関等でデータサイエンティストの経験を持つ桑原豊史氏を中心に、初期は合計12名のメンバーでスタートする。今回社外取締役に就任した成田氏は、ジェネレーティブAI協会GAIAの代表理事も務めており、成田氏からも助言を得ながらAIの活用に向けて推進していく考えを示した。