TDCソフトは5月30日、ENEOSが脱炭素・循環型社会実現に向けた研究開発においてTDCソフトのアジャイル開発手法を活用したと明らかにした。

ENEOSの中央技術研究所では、水素エネルギーやさまざまなエネルギー機器を統合制御して1つの大きな発電所のように機能させるVPP(Virtual Power Plant)の推進、水素キャリア製造技術、合成燃料開発など脱炭素・循環型社会に向けた取り組みを実施している。

アジャイル導入前の課題は、社会課題を解決するため研究開発の加速が求められていることに加え、エネルギー機器の制御試験は機器がある現地に赴く必要があり、複数の機器を束ねて制御試験を行う環境がなかったという。

ENEOSがTDCソフトのアジャイル開発を採用したポイントとしては、研究開発は常に流動的で先が明確ではなく、研究者自身が思いつきをすぐに試してみたいということもあり、そのような要求に応えるにはアジャイルという進め方が最適と判断。また、TDCソフトの2週間スプリントでのスクラムを活用するという、具体的かつ「要件の柔軟性」を理解した提案から、アジャイルに対する知見が最も高いという点を評価した。

導入後には、研究にありがちな「あいまいな要件」に対して迅速に対応するとともに、ネットワーク越しに制御試験を行える環境を構築できたほか、多くの機器を容易に接続して総合的な試験を実施できるようになったという。

さらに、アジャイルで開発したシステムとしては開発開始から3カ月後に太陽光発電、水素発電、蓄電池などの稼働状況を監視・管理する「hammock EMS (ハンモックEMS)」をリリースしたことに加え、蓄電池制御シミュレーターを開発し、2022年10月にβ版を提供するなど、UI/UXの改善や機能強化を継続している。

そのほか、東京都東村山市とENEOSが実施している電気自動車を活用したエネルギーマネジメントサービスに関する実証実験において、システムの見える化画面の開発し、2023年1月にβ版を提供している。