ソフトバンクは5月26日、「スマートキャンパス構想」として、5G(第5世代移動通信システム)などの利用により大学のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援する取り組みを開始した。
新構想は、キャンパス構内における5Gネットワークの構築や、LINEのプラットフォームを利用した大学運営のデジタル化などのデジタル環境の整備に取り組み、大学のニーズに応じてDXを支援すると共に、それらの環境を活用した教育・研究を推進してデジタル人材育成への貢献を目指すもの。
その第1弾として同社は、京都産業大学およびLINEと、「先端技術を活用した新しい学生生活の実現・研究に関する包括連携協定」締結した。
同協定に基づき、5Gスマートキャンパスとして同大学キャンパス構内の5Gネットワークの整備を進め、2023年度末までにパブリック5Gを、2024年度以降に法人向けの5Gマネージド・サービスである「プライベート5G(共有型)」を提供する予定だ。
整備した5Gネットワークを使用して、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)ソリューションやインタラクティブ掲示板、食堂やバスなどの混雑状況の情報配信ソリューション、顔認証システムなどの提供を予定している。 さらに、5Gなどの先端技術を活用したイノベーションの創出に向けて、学生参加型のワークショップを2023年6月から開催するという。
また3者は、LINEのプラットフォームを使用する「LINEスマートキャンパス」を共創し、学生の入学前から在学中、卒業後まで、それぞれのタイミングに適切な支援を一貫して提供する。
具体的には、LINEが提供する法人向けアカウント・サービスである「LINE公式アカウント」や、新たにアプリをダウンロードすることなくLINEのアプリ上でサービスを利用できるというアプリ・プラットフォームである「LINEミニアプリ」などにより、学生の生活や活動などを支援するという。
その他、ハード/ソフトの両面でスマート・キャンパス化をサポートする専任の担当者である「スマート・キャンパス ディレクター」を同大学へ派遣し、スマート・キャンパス化を支援するとしている。
なお同社は、今回締結した包括連携協定の内容として、1)5Gなどの先端技術を活用したイノベーションの創出支援に関すること、2)5Gなどの先端技術を活用した教育・研究に必要な学内環境整備に関すること、3)5G、コミュニケーション・ツール、キャッシュレス・システムなどを活用して大学のDXおよび大学運営の高度化に貢献することの3点を挙げている。