一体いつ寝てるの?というぐらいの量の仕事をこなす人がいる。器が違うと分かっていても、少しはあやかりたいものだ。Twitter関連で名前を見かける機会が増えたElon Musk(イーロン・マスク)氏。ご存知のように同氏は、Twitterだけでなく、自動運転車のTesla、航空宇宙のSpaceX、と3社をCEOとして経営している。

そのほかにも、SpaceXに関連したStarlink、今話題のOpenAIの創業にも関わっている。マスク氏は極端な例かもしれないが、重要な意思決定を次々とこなす人の頭の中はどうなっているんだろうと思った経験はおありだろう。

起業家とビジネス情報誌のIncは「How Do Top CEOs Get So Much Done? Their Executive Assistants Just Spilled Their Best-Kept Secrets」で「秘密兵器はハイレベルなアシスタント」と記す。

「一流のエグゼクティブは5分刻みのスケジュールをこなしている。そのため、生産性の妨げになるような雑務をすべて取り除くチームがある」と記事。レベルの高いプロ集団のチームを作るのは難しいが、学べることはあるという。

トップレベルのCEOのアシスタントから聞いた話をまとめると、ポイントは以下の5つのようだ。

(1)時間とスケジュール管理
(2)ミーティング
(3)整理
(4)ニーズの理解
(5)バランスを保つ

なるべくフロー状態になるようにミーティングを組む

(1)では、会議をどのようにスケジュールに組み込むか。アシスタントによっては、1日の会議時間の合計を6時間以内にする、週1日は会議を入れない日を作るなどの工夫をしているという。

また、会議と会議の間におく時間が中途半端だと、その時間は無駄になる。そのような非生産的な時間をいかに作らないようにするかに配慮しているという意見も聞かれた。

(2)については、そもそも会議に参加すべきかどうかも検討の余地ありだ。自分が参加した方がいいのか、優先順位を探るためにも、会議のインビテーションやアジェンダを確認する。貴重な時間だ。参加しないというオプションがあるのであれば、無駄な会議はスキップしたい。

あるアシスタントは、会議のトピックがバラバラにならないよう、なるべくフロー状態になるようにミーティングを組むようにしているという。また、時間的な余裕がないと感じる場合は、会議の頻度を減らしたり、キャンセルしたりしているそうだ。

(3)に関しては、机の整理はもちろんだが、現在ならデジタルの整理も重要だ。会社が導入しているツールを使いこなして、生産性を高めたい。記事では、Slack、Google Drive、Notion、Asanaなどのツール名が出てきている。

ジェフ・ベゾスは「1日3つ良い決断をする」

あるアシスタントは、Gmailの「優先トレイ」機能を活用し、重要なものを1つのフォルダに保存しているという。毎朝、スケジュールを把握することでスムーズに仕事に入れるようにするというアシスタントも。前日夜にアジェンダのスクショを撮り、Slackのスケジュール送信を使って翌朝届くようにしているそうだ。

生産性の専門家や脳科学者によると、人間の脳が深く集中した思考作業を行うことができるのは(個人差はあれど)4時間。この4時間をどのように使うかが重要だという。会議を入れるのではなく、最も重要な仕事をやるようにスケジュールを組み、そしてピークではない時間にミーティングや重要度の低い業務を持ってくる。

Amazonを創業したJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は「1日3つ良い決断をする」という目標を掲げていたという。「量は大切だが、質も大切」であり、仕事の効率を向上したいのであれば、自分を大切にすることをセットで考えると良さそうだ。

記事によると、CEOの多くが定期的な運動や個人の時間、それにライフコーチやセラピストなどがついて、自分の能力を最大限に発揮できるようにしているのだという。大企業のCEOと同じ環境は得られなくても、自分の環境の中でできるところは取り入れてみてはいかがだろうか?