セイルズは3月15日、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している企業に勤めるバックオフィス部門の人を対象に実施した「DXに対するバックオフィスの本音」に関する調査の結果を発表した。調査人数は1,002人。

バックオフィスでの業務においてDXが進んだものを聞いた質問では、「勤怠管理関連」(58.5%)と回答した人が最も多かった。これに「給与計算関連」(48.0%)、「シフト、スケジュール管理関連」(28.9%)、「日報管理関連」(25.9%)、「請求、支払い管理関連」(25.7%)と続く結果となった。

  • バックオフィスでの業務において、DX(デジタル化)が進んだものは何ですか? 引用:DXに対するバックオフィスの本音に関する調査(セイルズ)

これらのDXによって業務に起きた変化としては、以下のような意見が寄せられている。

  • 毎日の出勤や残業申請、休日出勤など、紙の処理していたものがシステム化されたことによって、給与計算が簡単になった
  • リモートが進んだことで、勤怠管理や契約書の共有など、DXはなくてはならないものになった
  • 代わりにシステムに慣れない部下の誤入力や誤処理を差し戻す手間ができた
  • 使いこなしている人と理解できない人の差が激しい

このように勤怠管理や給与計算など、それまでは人の手によって行われていた業務がシステム化されたことで楽になったという声がある一方、システムに慣れない人や入力ミスなどがある場合は、それに対応するための新たな手間が生じることもあるとの意見が挙がる結果となった。

また「DXによって業務は効率化されたと思いますか?」という質問においては、「とてもそう思う(29.4%)」「ある程度はそう思う(58.7%)」「あまりそう思わない(10.3%)」「まったくそう思わない(1.6%)」という回答結果になっている。「とてもそう思う」「ある程度はそう思う」を合計すると、約9割が「DXによって業務は効率化される」と感じていることが分かった。

一方で「DXによって、業務に必要な工数が増えたと感じることはありますか?」と質問すると、「かなりある(19.9%)」「多少はある(56.0%)」「ほとんどない(22.9%)」「まったくない(1.2%)」と、工数については合計75.9%が「増えた」と感じていることが分かった。

  • 左:DXによって、業務は効率化されたと思いますか? 右:DXによって、業務に必要な工数が増えたと感じることはありますか? 引用:DXに対するバックオフィスの本音に関する調査(セイルズ)

工数が増えた具体的な理由としては、「これまでただ経理に渡せばよかった見積書や請求書、領収書などをいちいちスキャンしてデータとして提出しなければならなくなったため」「従来は紙や口頭で済んでいたことがDXとなったことで、機械に弾かれたり承認を待つ時間がかかったりするようになった」「会議の資料など、紙ベースとデータの併用で行われるようになったため、作業自体は増えている」などの回答が寄せられた。