Appleの元幹部が立ち上げたHumaneが3月8日、新たな投資ラウンドとして1億ドルの調達に成功したことを発表した。

Appleの元幹部が立ち上げたHumaneが3月8日(米国時間)、新たな投資ラウンドとして1億ドル(日本時間2023年3月9日時点で約137億円)の調達に成功したことを発表した。AIを組み込んだコンシューマー製品をこの春にもローンチすると見られている。

HumaneはAppleでヒューマンインタフェース担当チームでディレクターを勤めていたImran Chaudhri氏、同じくAppleでOSのディレクターを務めていたBethany Bongiorno氏が立ち上げたベンチャー、スタートアップ企業。Chaudhri氏はiPhineのUIなどのデザイナーだった。

創業は2018年で、同社によると「この分野では初」となるAIのためのソフトウェアプラットフォームとコンシューマーデバイスを構築しているという。

「AIが推進する次世代のパーソナルなモバイルコンピューティングを届ける」と自社のミッションを説明しており、過去2回の投資ラウンドで調達した金額は1億3000万ドルにのぼる。

今回、Kindred Venturesが率いるシリーズCの投資ラウンドで1億ドルを調達した。Microsoft、Volvo Cars Tech Fund、LG Technology Venturesなども参加しているという。同社の既存投資家にはQualcomm、Tiger Global、それに「ChatGPT」の開発元であるOpenAIの創業者であるSam Altman氏も名を連ねている。

最新の投資ラウンドでは、Microsoft、Volvo Cars Tech Fundなど数社と戦略的投資家・パートナーも加わっていると。あわせて「影響力のあるテクノロジー企業との戦略的コラボレーション」として、Microsoft、OpenAI、SK Networksと関係を強化することも明らかにしている。

Microsoftとは、AI分野でクラウドインフラの活用を、OpenAIとは同社の技術をHumaneデバイスに統合し、OpenAIとHuman AIの体験を多くの顧客が利用できるようにする、と記している。

最初のHumanデバイスは、次世代のパーソナルテクノロジーを届けることにフォーカスしているという。次のフェーズのHumane製品の研究開発に向けてLGと、自動車業界でVolvo Cars Tech Fundと協力することも明かしている。

TechCrunchによると、Humaneはディスプレイではなくレーザー投影システムを使った身体装着型デバイスについての特許を特許商標庁に申請しているという。