高見沢サイバネティックスとパナソニック コネクトは3月7日、ウォークスルー型の顔認証改札機を開発し、Osaka Metro(大阪市高速電気軌道)が2024年度末までに全駅に導入する予定だと発表した。

  • 顔認証改札機の入場側と退場側

新製品は、パナソニック コネクトの顔認証技術と高見沢サイバネティックスが開発した近未来を意識したという機能とデザインの改札機を組み合わせるで、初めてでもスムーズに利用できるというデザインと、手ぶらによるストレスフリーで機能的な改札を実現する。

  • Osaka Metro Groupが目指す都市型MaaS構想

両社は、Osaka Metroが掲げる都市型MaaS構想である「e METRO」の取り組みの一環として、顔認証を用いた次世代改札機の実証実験に2019年から参加してきたとのこと。

大国町駅を始めとする一部の駅で、Osaka Metro社員や車いす利用客に向けた実証実験を継続し、実験中に得たデータや知見を基に改良を重ねた結果、2025年の大阪・関西万博に向け新たな技術の導入で圧倒的に便利な改札の実現を目指すというOsaka Metroが、同製品を採用した。

利用者は、事前にOsaka MetroのMaaSアプリである「『e METRO』アプリ」を通じて自身の顔画像を登録し、使用する乗車券と本人の情報を紐付けることで、カードなどの媒体を使わずスムーズに改札を通過できるようになる。

改札機の機能としては、改札通過時に顔照合によって利用者および乗車券情報を特定し、上位サーバに乗車券と処理機器の情報を伝送することで、利用者の通行権利を判定・応答するとのこと。

デザインでは、入場側・出場側のデザインを非対称として、利用者を「迎え入れる」「送り出す」という「おもてなし」をイメージした演出を施したことに加え、顔認証の精度を上げるため照明の付いたアーチを設けると共に、扉部分には透明なクリスタル調の素材を用い、通路案内を行うイルミネーションを採用するなど、近未来を意識した作りだとしている。