伊藤忠丸紅鉄鋼とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2月14日、鉄鋼製品を扱うサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に貢献するため、温室効果ガス排出量を可視化するクラウドサービスの実証実験を開始すると発表した。両社は共同プロジェクト「MIeCO2」を立ち上げ、温室効果ガス削減に向け各種ソリューションの提供とその事業化の検討を行う。

  • 排出量可視化が目指すゴールのイメージ図

同実証実験では、鉄鋼製品を製造・販売・購買する複数の企業から協力を得ることで、「サプライチェーン上にある企業間で一次データ(個別企業が排出する実績値のデータ)を共有し、製品単位の排出量をより正確に算定」「製品単位の排出量を活用し、自社の排出量をより正確に算定」「排出量の共有・算定をクラウドサービスとして適用する際の実用性、効率性を評価」という3つの実証を行う。

実証において、伊藤忠丸紅鉄鋼は国内外での幅広い取引により確立したグローバルビジネス基盤が持つ機能と、鉄鋼製品業界に関連する多様な知見の提供を行う。一方、NTT ComはICTとOT(Operational Technology:工場やプラント、ビルなどの制御機器を制御し運用するシステムやその技術)を融合したソリューションの蓄積による、データ利活用、IoT、ネットワーク、セキュリティ、クラウドなどの技術に関する知見の提供を行う。

両社は、同実証実験を通じ、2023年度上期に鉄鋼製品のサプライチェーン全体にわたる温室効果ガス排出量を可視化するクラウドサービスの提供開始を目指す。また、排出量に関するデータの収集・算定・分析・情報開示および排出量削減に向け、企業の業務負荷軽減と社会的なGX(グリーントランスフォーメーション)への貢献を図るソリューション群の提供を「MIeCO2」プロジェクト内で共同して検討する。