NTTアノードエナジーは、2月3日、同社のこれまでの主な事業活動や今後の方向性等についての説明会を開催した。

同社はNTTのグループ会社として2019年6月に設立。「脱炭素社会の実現」「エネルギーの地産地消の推進」に向けて、NTTグループの保有する技術やアセットを活用したスマートエネルギー事業を展開している。2022年7月には、NTTファシリティーズの電力関連業務を統合している。

主な事業は、「グリーン発電事業」、「地域グリッド事業」、「需要家エネルギー事業」、「構築・保守オペレーション事業」(NTTグループ施設の構築保守)の4つだ。

  • NTTアノードエナジーの企業概要

NTT アノードエナジー 代表取締役社長 岸本照之氏は、「エネルギーの情報流通ということで、つくる、運ぶ、貯める、使うという一連のバリューチェーンを支えていきたい。今後のスマートエネルギービジネス、NTTグループの掲げる脱炭素を引っ張っていくためにできた会社だ」と述べた。

  • NTT アノードエナジー 代表取締役社長 岸本照之氏

「グリーン発電事業」は、太陽光発電、風力発電、地熱バイオマスなどの発電設備をもち、再生可能エネルギーの発電事業を行う。

  • 「グリーン発電事業」

NTTグループはGreen Innovation Toward 2040で、2040年、Scope1(自らの温室効果ガスの直接排出)、およびScope22(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出) において、カーボンニュートラルを実現することを目標として掲げている。このうち、45%は再生可能エネルギーで温室効果ガスを削減する予定だ。その大半を同社が提供する予定だという。

  • NTTグループの温室効果ガス排出量の削減イメージ(国内+海外)

NTTグループでは約1万のオフィスや通信ビルがあり、そこにはコロケーションスペースがあり、au、ドコモ、楽天モバイルなどの設備がある。それを含めた電力を管理していく。

今後はNTTの施設だけでなく、一般企業、自治体、住民にも提供していく。

これは自社だけでなく、他の企業と協業しながらやっていくという。すでにセブン&アイ・ホールディングスの店舗に提供している。

  • セブン&アイ・ホールディングスの店舗に再生可能エネルギーを供給

そして同社では、2030年には38億kwhをグリーン発電で提供したいとしている。

「地域グリッド事業」では、環境省が進める第2回脱炭素先行地域で、5自治体に関与している。脱炭素先行地域とは、2050年カーボンニュートラルに向けて、民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現し、運輸部門や熱利用等も含めてそのほかの温室効果ガス排出削減についても、国全体の2030年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現する地域。岸本社長は、「今年、来年で本格化していきたい」と述べた。

「地域グリッド事業」では、地域で発電した電力を地域で消費する地産地消率の向上に 貢献し、蓄電池活用、エネルギーマネージメントシステムによる電力の見える化等に協力する。

  • 地産地消率の向上

そのほか、NTTが保有するケーブルの配管であるとう道、管路を水素を運ぶパイプラインとして利用することも検討しており、福島で実証実験を行っているという。

「需要家エネルギー事業」では、同社のグループ企業であるエネットやスマイルエナジーとともに、使う側の立場でつくる、運ぶ、蓄えるといった一連のバリューチェーンにおいて、カーボンニュートラル推進を支援するという。

  • 「需要家エネルギー事業」

そして、同社では2025年に6000億円の売上を目指すという。