ホンダは2月2日、水素事業の取り組みについて会見を行い、同社の取り組み目標を語った。その際、主に5点の目標を掲げた。

1点目は、カーボンニュートラル社会の実現に向け、製品の電動化の促進のみならず、エネルギーキャリアとしての水素の活用拡大にも積極的に取り組み、水素事業の拡大を目指すこと。

2点目は、水素事業のコアとなる燃料電池システムのさらなる進化に取り組み、GMと共同開発している次世代燃料電池システムにおいて、耐久性2倍、コスト3分の1の実現を目指すこと。このGMとの取り組みに加え、さらに耐久性2倍、コスト半減を実現すべく、引き続き要素研究を進めたい考え。

  • 次世代燃料システム

3点目は、燃料電池システム活用のコアドメインを、燃料電池自動車(FCEV)、商用車、定置電源、建設機械の4つと定め、他社との協業にも積極的に取り組んでいくこと。特に商用車領域では、いすゞ自動車と燃料電池大型トラックの共同研究を行っているほか、東風汽車集団股份有限公司と共同で、次世代燃料電池システムを搭載した商用トラックの走行実証実験を開始しているという。

4点目は、2020年代半ばに年間2,000基レベルで燃料電池システムの社外への販売を開始し、段階的に拡大すること。2030年に年間6万基、2030年代後半に年間数十万基レベルの販売を目指す方針。

  • 燃料電池システムの販売目標

5点目は、将来的な目標として、宇宙領域での燃料電池技術・高圧水電解技術などの水素技術の活用も視野に入れて研究開発を進めることとなる。