ラクスは1月31日、全国の経理担当者907人を対象に実施した電子帳簿保存法に関する調査結果を発表した。2022年12月には2023年度税制改正大綱が発表され、電子帳簿保存法「電子取引データの保存」の宥恕措置は予定通り2023年12月31日で廃止すると発表された。
しかし同調査によると、「電子帳簿保存法に則して運用している(電子取引データの保存)」と回答した企業は21.9%に留まった。同社が2022年9月に実施した同調査結果は21.4%で、0.5pt増加しているものの、ほぼ横ばいという結果となった。宥恕終了まで約1年となり企業は変わらず対応促進が求められている状況のままだ。
従業員規模別にみてみると、「電子帳簿保存法に則して運用している(電子取引データの保存)」と回答した企業は、300名以上の企業と299名以下の企業で11.7ptの差が生まれており、中小企業の準備遅れが顕在化していることが明らかになった。
さらに、受け取った請求書・領収書の電子帳簿保存法への対応をする場合、検討から運用開始までにはどのくらいの期間を要すると思うかを調査したところ、「4~6か月以内」と回答した企業が30.8%となり最多回答となった。次いで「7~12か月以内」と回答した企業が18.4%、「12か月以上」と回答した企業が11.9%だった。
「1~3か月以内」と回答した未対応の企業の回答割合は13.2%。一方で対応済みの企業は7.3%となり、両者を比較すると5.9ptの差が生じている。また、「12か月以上」と回答した未対応の企業の回答割合は10.7%だったことに対し、対応済みの企業の回答割合は14.9%で4.2ptの差が生じていた。
未対応の企業が想定する準備期間は、対応済みの企業の回答に対し短い傾向があり、意識にズレが生じていることが明らかとなった。