物価高や円安などにより、生活費の高騰が続く今、手持ちのアプリに配信されたクーポンを利用したことがある人は多いのではないだろうか。一般に、クーポンが配信されるタイプのアプリは無料で利用できるものが多い中、月額制で提供されているのがKDDIの「auスマートパスプレミアム」である。同アプリでは、さまざまなジャンルのクーポン配布に加え、動画や音楽、書籍といったエンタメコンテンツ、映画チケットの割引サービスなどが提供される。利用回線によって使えるサービスは一部異なるが、auユーザー以外でも加入できることもあり、着実に会員数(1,265万人※2022年9月決算発表資料より)を伸ばしているという。

あえて月額制という“茨の道”を切り開くKDDIは、どこに勝機を見い出しているのか。会員の獲得に向け、どのような施策を展開しているのか。今回は、運営を担当するKDDI パーソナル事業本部 マーケティング統括本部 auスマートパス推進部 コアスタッフの池田直人氏、同 立道稜氏、同 笹山舞音氏にお話を伺った。

  • (左から)KDDI パーソナル事業本部 マーケティング統括本部 auスマートパス推進部 コアスタッフの池田直人氏、同 笹山舞音氏、同 立道稜氏

アプリ文化のナビゲーターから、日常生活を格上げする存在へ

「auスマートパスプレミアム」の前身は、2012年3月にauユーザーを対象とするサービスとして立ち上げられた「auスマートパス」である。KDDIでは、その前年となる2011年末、au初となるiPhoneの販売を開始。これから広がるであろうアプリ文化を前に、ユーザーをナビゲートするような存在になりたい――そんな思いから、auスマートパスはアプリの定額使い放題を核としたサービスとしてリリースされた。定額使い放題のほかに、クーポンの配布や機体が故障した際の保険サービスも付帯する複合的なサービスとした意図は、顧客とのさらなる接点の構築にあったという。「実際に行動履歴の分析などを行い、顧客理解にも活用していた」と立道氏は説明する。

そんなauスマートパスに最初の転機が訪れたのは、2017年1月だ。顧客により多様な体験を提供すべく、曜日ごとに使用できるクーポンが配布される「auエブリデイ」のサービスを開始。さらにauスマートパスに加えて、auスマートパスプレミアムを新たに開始した。「日常生活がワンランク上がり、より楽しめるように」というコンセプトの下、オフラインで使えるリアルな特典を増やす方向に舵を切ったのだ。配布するクーポンの選定には、ちょっとしたユーモアも隠されていたという。

「auエブリデイのクーポンの内容は、曜日ごとに異なります。金曜日はフライの日なのですが、これはフライデーと揚げ物のフライをかけています。水曜日は温浴施設の日で、これも水つながりなんです」(笹山氏)

成功したキャンペーンと反応が悪かったキャンペーン、その違いは?

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