KDDI総合研究所と国立極地研究所(以下、極地研)は12月15日、昭和基地と極地研立川キャンパスを結ぶ最大7メガビット毎秒の衛星通信回線を用いて、8K映像のリアルタイム伝送の実証実験に成功したことを報告した。
KDDI総合研究所が開発した遠隔作業支援システムを用いることで、狭帯域なネットワークにおいてもスマートフォンだけで8K映像の伝送が可能になるという。
南極の昭和基地と国内を結ぶ衛星通信回線は国内研究拠点への現地観測データの伝送だけでなく、隊員の遠隔医療支援や家族とのWeb会議といった生活環境の向上や、昭和基地の様子を伝える広報イベントなどに利用されている。
映像品質を従来のHDTVから8Kへと向上させることで、昭和基地の自然や隊員を取り巻く環境を高い臨場感で伝えられるようになると期待され、体験価値や教育的価値を高めたコンテンツ提供が可能になるとのことだ。
今回の実証では、KDDI総合研究所が開発した遠隔作業支援システム「VistaFinder Mx」および昭和基地のネットワーク環境と衛星通信設備を用いた。実証で得た知見や課題を基にさらなる改善を行い、2023年度の実用化(昭和基地と国内間での映像伝送の実運用での利用および8K映像の商用品質化)を目指すとしている。