日本労働組合総連合会(連合)は12月8日、コロナ禍における職業生活に関する意識や実態、ストレスの状況を把握するために、18歳~65歳の被雇用者1,000名を対象に10月1日~3日の3日間で実施した「コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022」の結果を発表した。

現在、自分の仕事や職業生活に関して、「強い不安、悩み、ストレス」(以降、「ストレス」)となっていると感じるもを聞いたところ、「職場の人間関係」(30.9%)が最も高かったという。これに、「仕事の量」(22.8%)、「地位・待遇」(19.9%)と続き、何らかのストレスを感じている人の割合は 74.3%に上った。

コロナ禍前と比べて、現在、自分の仕事や職業生活に関してのストレスに変化があったか聞いた質問では、「かなり増えた」と「やや増えた」を合計した「増えた」と回答した人は36.6%、「かなり減った」と「やや減った」を合計した「減った」は8.3%という結果になっている。

雇用形態別にみると、ストレスが増えた人の割合は、正規雇用者では40.2%、非正規雇用者は31.0%と少し正社員の方が高くなる結果に。業種別にみると、ストレスが増えた人の割合は、「金融業,保険業」(44.1%)と「卸売業,小売業」(43.3%)、「医療,福祉」(41.7%)の3業種では40%を超える結果になっている。

  • コロナ禍前と比べて、現在、自分の仕事や職業生活に関してのストレスに変化があったか 引用:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022

コロナ禍前と現在のテレワークの実施状況を聞いた質問では、「実施」と回答した人の割合は、全体ではコロナ禍前の24.4%から現在37.2%と12.8ポイントの上昇となっている。

コロナ禍前後の変化を勤務日における割合別に比較すると、「勤務日はすべて」が18.6%から17.5%、「勤務日の7~8割程度」が1.5%から5.6%、「勤務日の5割程度」が2.0%から4.8%、「勤務日の1~3割程度」が2.3%から9.3%となっており、「勤務日はすべて」はやや減少し、一定の割合をテレワークとする職場が増加していることが判明した。

  • コロナ禍前と現在のテレワークの実施状況 引用:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022

また、現在のテレワークの実施状況に満足しているかを聞いたところ、「満足」は26.2%、「不満足」は14.4%となっている。テレワーク実施状況別にみると、「満足」と回答した人の割合は、勤務日の7~8割程度の人(62.5%)が高くなる傾向になっているという。

  • コロナ禍前と現在のテレワークの実施状況 引用:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022

コロナ禍以降、ハラスメントを職場で受けたり、見聞きしたりしたことがあるか聞いた質問では、受けたことがあると回答した人の割合は、「パワー・ハラスメント(パワハラ)」が23.3%で最も高く、次いで「カスタマー・ハラスメント(カスハラ)」(13.5%)、「セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)」(8.1%)となった。

ハラスメントの遭遇率をみると、「パワハラ」が60.2%と突出して高く、次いで「セクハラ」が42.8%、「カスハラ」が39.4%と続いている。

  • コロナ禍以降、ハラスメントを職場で受けたり、見聞きしたりしたことがあるか 引用:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022

コロナ禍以降、職場でハラスメントを受けた経験がある人に、職場でハラスメントを受けたことで、どのような職業生活上の変化があったかを聞いたところ、「仕事のやる気がなくなった」(45.6%)が最も高かった。これに、「心身に不調をきたした」(32.7%)、「夜、眠れなくなった」(22.5%)という回答が続き、職業生活上の変化があった人の割合は74.8%という結果になっている。

  • 職場でハラスメントを受けたことで、どのような職業生活上の変化があったか 引用:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022