富士通は12月1日、食品卸売業界における買掛金の照合業務をクラウドで効率化するSaaS(Software as a Service)型のAI(Artificial Intelligence:人工知能)サービス「Fujitsu買掛照合AIサービス」の提供を開始することを発表した。
このサービスは、取引先から受領する請求電子データと自社が持つ買掛電子データを照合する買掛照合業務において、AIが過去の照合実績データを学習して自動で照合結果を提示する仕組みだ。
従来の買掛照合業務は伝票番号や金額、入出荷日などをキーに取引先からの請求電子データと自社の買掛電子データを照合しており、それらが不一致または欠落している場合には、商品名などを目視で確認する作業が発生していた。
しかし、同サービスは自然言語処理技術を用いたAIによって商品名や届先名を識別するため、漢字とカタカナや、正式名称と略称のような違いを認識可能だ。また、同一商品が取引先と異なる名称で登録された場合にも対応するので、照合率の向上が目指せるという。
また、同サービスは複数のAIモデルとロジックを組み合わせたAIハイブリッドモデルで疎結合を実現しているという。そのため、どのような過程を経て取引先請求電子データと自社買掛電子データを照合しているのかといった説明性の担保や、精度が下がった場合に照合過程のどこに問題があるのかといった原因調査が容易なようだ。