しかし、インターネットを利用している人にとって、このことは他人事ではない。私たちはインターネットを使って、ショッピングをしたり、重要な仕事の話をしたり、実にさまざまなことをしているが、こうしたインターネット上の行動は、誰かしらに監視されているからだ。

匿名の掲示板で名誉を棄損する書き込みを行って逮捕することが可能であるのも、インターネット上での行動が監視されているからだ。では、こうした監視から身を守るにはどうしたらよいのだろうか。

Avastが公式ブログ「Take back your privacy from eavesdroppers」で、インターネット上の盗聴について説明しているので、そのポイントを紹介しよう。

Avastは、インターネット上の行動を監視する「オンラインスパイ」を以下の4つのカテゴリーに分けている。

政府

ご存じの方もいるだろうが、漏洩した文書から、米国国家安全保障局 (NSA) が電子メール、メッセージ、海底光ファイバー ケーブルを通過するトラフィック、米国外の携帯電話の場所などの個人データを収集していることがわかっている。ちなみに、これはすべて合法だという。

市民をスパイする政府は米国だけではない。市民のオンライン活動に対するモデレーションを行う国としては、中国がおそらく最も有名だろう。

サイバー犯罪者

オンラインスパイといわれて、真っ先に浮かぶのは「サイバー犯罪者」かもしれない。サイバー犯罪者はさまざまな手法を駆使して人々をスパイして情報を収集する。

彼らが用いる手段の1つとして、公衆Wi-Fiが挙げられている。公衆Wi-Fiは誰でもアクセスできるため、サイバー犯罪者は攻撃を仕掛けて、情報を盗むことができる。

加えて、犯罪者がわれわれをスパイするために用いる手段が「フィッシング攻撃」だという。フィッシングは、多くの場合、配偶者や上司など、知人から送信されたように見える電子メールを介して行われる。フィッシング メールの中には、個人情報を進んで引き渡すよう説得するものもあれば、感染したファイルを被害者のコンピュータにダウンロードするためのリンクが含まれているものもある。

ISP

ISP(インターネット サービス プロバイダー)は、ネットワーク経由で送信されるすべての情報を収集し、場合によっては監視する。匿名の閲覧ログを編集し、広告会社に販売する人もいるという。

なお、すべてのISPは、法執行機関の要求を受けた場合、ユーザー アクティビティのログを引き渡す必要がある。

アドネットワーク

Webブラウザにはさまざまな広告が表示されるが、広告を1つ表示するたびに、Cookieが送信される仕組みになっている。これにより、アドネットワーク閲覧履歴を追跡し、ターゲットを絞った広告を配信できるようになります.

最近、プライバシー保護の観点から、世界中でCookieの規制が進んでいるが、アドネットワークはCookieを利用 して、インターネット上の行動を追跡している。

こうしたオンラインスパイから身を守るために、どんな対策を講じるべきだろうか。Avastは以下の5つを対策として紹介している。

  • VPNを利用する
  • セキュリティソフトを利用する
  • 電子メールのリンクには注意を払う
  • サードパーティ Cookie を無効にする
  • 広告ブロッカーを使用する

VPN に接続すると、デバイスは「信頼されたキー」をネットワークと交換し、安全な接続を確立します。VPN 経由で送信されるすべてのデータは暗号化されているため、スパイの目から安全です。

VPN を利用すると、プライベートブラウジングが可能になるだけでなく、データを盗もうとする犯罪者やスパイしようとする政府からも保護されるという。