マクニカは11月29日、PLANT DATAとアグリマインドの3社と共同でIoTセンサーによる生体情報の計測、AIによる分析と設備制御により、トマトの収穫量予測、従業員の労務管理、各種計測自動化などの高度な農業システム化を実現する「スマート農業プラットフォーム」の実証実験の開始を発表した。

  • 「スマート農業プラットフォーム」の概要(同社資料より)

    「スマート農業プラットフォーム」の概要(同社資料より)

2014年よりトマト栽培において巨大なセミクローズド温室により室内栽培施設で高い収穫性を実現している有限会社アグリマインドの農場で実施される。PLANT DATAの画像計測装置と光合成/蒸散計測装置などを活用し、植物生体の計測とデータ収集を行い、マクニカがAIモデルを作成、データ分析を行い制御システムの構築を行う。

  • 「スマート農業プラットフォーム」システム構成(同社資料より)

    「スマート農業プラットフォーム」システム構成(同社資料より)

実証実験では、温室内の環境情報に加えて新たな試みとして、光合成量や蒸散量のリアルタイム計測、クロロフィル蛍光や白色LEDの画像スキャン計測などにより詳細な植物の生体情報の収集。果実個数、色味、花数、葉や茎のサイズを把握し高精度な収穫量を予測する。これらのデータを活用し、無人化での環境条件の算出、資源やエネルギー、人的コスト最適化、CO2最大効率化など高度なスマート農業の実証を行う。

アグリマインドは、国内のスマートアグリ(スマート農業)実践企業として更なる技術の向上を目指し、PLANT DATAは、同社の有する光合成や蒸散のリアルタイム計測技術やクロロフィル蛍光計測を活用した植物の環境応答の異常検知技術を実際の現場に導入するためのテストケースの作成、AIを活用するための実行環境構築などのノウハウ蓄積を狙う。マクニカは、同社のIoT/AI技術を活用し、農業分野で最先端をいくハウス栽培でのデータ収集とデータ解析、AIモデルの作成、IoTによるハウス環境制御システムの構築とプラットフォームの実装技術の確立を目指す。