楽天モバイルは11月18日、日本国内における低軌道衛星を活用したモバイル通信の実現に向け、2022年11月10日付けで実験試験局免許の予備免許を取得したことを発表した。戦略的パートナーである米AST SpaceMobile(AST)と推進する「SpaceMobile(スペースモバイル)」プロジェクトに生かす。実験試験局免許の付与を受け次第、低軌道衛星を活用したモバイル通信試験および事前検証を実施する。
スペースモバイルプロジェクトは、ASTが構築する低軌道人工衛星(LEO:Low Earth Orbit)が宇宙から送信するモバイルブロードバンドネットワークと、現在市販されているスマートフォンとの直接通信の実現を目指す世界初の取り組みだ。同プロジェクトの実現により、楽天モバイルは、モバイル通信サービスの圏外となっている山岳地帯や離島などにおいても通信サービスを提供できるようになる。また、災害時における通信ネットワークの冗長性強化を見込んでいる。
2022年9月には、ASTが米国において試験衛星「BlueWalker3(ブルーウォーカー3)」の打ち上げに成功。また、ASTは2022年11月14日に「BlueWalker3」が、過去最大規模の693平方フィートにおよぶ商用通信アレイを地球軌道に展開することに成功したと発表。楽天モバイルは今回、ASTが打ち上げた試験衛星と日本国内のゲートウェイ地球局間における通信試験や、実際の端末を用いた事前検証を行うために、ゲートウェイ実験試験局免許と端末実験試験局免許の両免許の予備免許を取得した。
実験試験局免許の付与を受け次第、楽天モバイルは、福島県内に設置したゲートウェイ実験試験局の運用を開始し、北海道内山間部において携帯端末と「BlueWalker3」の直接通信を試験・検証していく方針だ。