ラーニングエージェンシーが10月26日に発表した意識調査の結果によると、若手社員の4割が今の会社で働き続けることに不安を感じているという。

同調査は7月22~25日にかけて、22~34歳の社会人2~4年目の就労者を対象に、調査会社によるインターネット調査により実施したもの。有効回答者数は、社会人2年目・3年目・4年目が各300人で計900人、男女比はいずれの年次でも女性が6割を超える。

なお、調査結果は4回に分けて発表予定であり、今回の発表はその3回目。今の会社で働き続けることに不安を感じることがあるかを尋ねると、不安を感じるとの回答が、いずれの年次でも4割を超えた。

  • 今の会社で働き続けることに不安を感じるか 出典: ラーニングエージェンシー

まず、上司・後輩との人間関係での苦労および、自身の今後のキャリアが描けないというキャリア不安を感じるかを質問した。「上司との人間関係について、苦労したことがある」について年次別に見ると、社会人2年目が40.3%と最も高く、3年目が37.7%、4年目が38.7%だった。

「後輩との人間関係について、苦労したことがある」では、2年目が22.7%と最も高く、3年目が21.7%、4年目が18.3%となった。「今後のキャリアが描けず、この会社で働き続けることに不安を感じることがある」でも2年目が41.3%と最も高く、3年目と4年目が同率の40.7%だった。

後輩との人間関係における苦労は、年次と共に解消する傾向だが、上司との関係は3年目で多少解消するが4年目では再び上昇。キャリア不安については、2年目が最も高く年次が上がってもほとんど解消しない結果となった。

  • 人間関係の苦労とキャリアへの不安 出典: ラーニングエージェンシー

「上司との人間関係について、苦労したことがある」という回答者に、どのような場面で苦労したのか質問したところ、「適切な指示を出してくれない」が、各年次を通じて最も高い(2年目23.1%、3年目24.8%、4年目24.1%)。

2年目の2位は「厳しい/怖い」(18.2%)、3年目の2位は「意見が合わない」と「厳しい/怖い」が同率の17.7%だった。4年目の2位は「意見が合わない」(20.7%)で、2年目とは5.0ポイントの差があった。

その他に年次で差が付いた項目を見ると、「適切なフィードバックをもらえない」「相談に乗ってくれない」は2年目が最も高く、特に「相談に乗ってくれない」については3・4年次と8ポイント前後の差となった。また、割合は低いが「年が離れている」は3年目が最も高く、2年目とは6.4ポイントの差があった。

  • 上司との人間関係で苦労した場面 出典: ラーニングエージェンシー

上司との人間関係で感じた苦労をどのように捉えているかを見ると、社会人2年目と3年目は「不安に感じた」が最も高く、それぞれ30.6%、26.5%だった。社会人4年目では、「不満を抱いた」「会社を辞めたくなった」が23.3%の同率1位であり、2・3年目の2位・3位にも「不満を抱いた」「会社を辞めたくなった」が入る。

その他、年次で差がついた項目は、「期待に応えようと感じた」は2年目が最も高く、4年目よりも5.3ポイント高い。「負けたくない・悔しいと感じた」は3年目が最も高く、4年目よりも5.5ポイント高い。「会社を辞めたくなった」は、4年目は2年目よりも5.9ポイント高く、年次ごとに差が現れている。

  • 上司との人間関係で苦労した際の捉え方 出典: ラーニングエージェンシー

「後輩との人間関係について、苦労したことがある」という回答者に、どのような場面で苦労したのか聞くと、2年目は「教え方が分からない、うまく教えられない」が25.0%と最も高く、4年目よりも8.6ポイント高い。3・4年目は「意見が合わない」が最も高く(29.2%、27.3%)、特に3年目は2年目よりも7.1ポイント高い。

その他に年次で差がついた項目を見ると、「関わる時間が取れない」は2年目が最も高く17.6%で、3年目よりも13ポイント高い。「後輩の態度が悪い」は4年目が最も高く18.2%で、2年目と15.3ポイントの差があった。また、割合は低いが「後輩の能力が低い」は3年目が最も高く、2年目と6.4ポイントの差があった。

  • 後輩との人間関係で苦労した場面 出典: ラーニングエージェンシー

後輩との人間関係で苦労した状況をどう捉えたかを聞いたところ、2年目で最も高かったのは「期待に応えようと感じた」(20.6%)であり、3年目は「不安に感じた」(27.7%)、4年目は「不満を抱いた」(29.1%)と、各年次で違いが現れている。

なお、3年目の2位には「期待に応えようと感じた」(21.5%)、4年目の2位には「負けたくない・悔しいと感じた」(16.4%)が入った。

  • 後輩との人間関係で苦労した場面の捉え方 出典: ラーニングエージェンシー

「今後のキャリアが描けず、この会社で働き続けることに不安を感じることがある」という回答者に、どのような場面で不安を感じるか質問した結果、2年目で最も高い割合だったのは「働き方が理想ではない」(29.0%)、3年目も2年目と同じく「働き方が理想ではない」(27.9%)だが、同率で「キャリアについて考える余裕がない」(27.9%)が入った。

特に、「キャリアについて考える余裕がない」は、4年目と14.8ポイントの差があった。4年目で最も高かったのは「身近に目指すべき存在がいない」(30.3%)で、3年目と5.7ポイント差が付いた。

その他に年次で差がついた項目は、「キャリアについて相談する相手がいない」は2年目が最も高く(21.8%)4年目と7.9ポイントの差、「自分が評価されていない」は4年目が最も高く(23.0%)3年目と9.1ポイントの差があった。

  • キャリア不安を感じる場面 出典: ラーニングエージェンシー

キャリア不安を感じる場面の捉え方を聞くと、各年次とも「不安を感じた」(2年目32.3%、3年目27.0%、4年目31.1%)が最も高い。

2年目の2位は「不満を抱いた」(26.6%)、3位には「会社を辞めたくなった(25.0%)」、3年目の2位は「会社を辞めたくなった」「不満を抱いた」がいずれも25.4%、4年目の2位は「会社を辞めたくなった」(25.4%)だった。

各年次の1/4が離職を検討しており、働き続けることへ不安を抱く状況は、上司や後輩との人間関係よりも離職に影響していると同社は推察する。

  • キャリア不安を感じる場面の捉え方 出典: ラーニングエージェンシー