10月18日から21日まで、幕張メッセで開催されているCEATEC2022。同展示会は毎年10月に開催されている総合展示会で、経済発展と社会課題の解決を両立する『Society 5.0』の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、『共創』によって未来を描く」を開催趣旨に掲げているもの。

2022年は、パートナーズパーク、トータルソリューションエリア、スマート×インダストリーエリア、キーテクノロジーエリア、スタートアップ&ユニバーシティエリアの計5つのエリアで、各ジャンルの最新のテクノロジーの展示が行われている。

本稿では、キーテクノロジーエリアで、みずほリサーチ&テクノロジーズが出展している、1つのアート作品を話しながら楽しめる未来の美術館「はなせる美術館」について紹介する。

「はなせる美術館」とは、ニューヨーク近代美術館で開発された、鑑賞する人たちの間で感想や気付きを共有する新しい鑑賞法である「対話型美術館」を気軽に取り入れられるように、ファシリテーターをアバターとして設置することで、鑑賞者とファシリテーターの双方の発話を促す未来の美術館の形だ。

この「はなせる美術館」は、アート作品の横にアバターとさまざまな単語を写した画面、その手前にマイクが置かれている。画面内の単語は、鑑賞者が作品に対して述べた感想を3Dグラフで表現したもので、今までの鑑賞者たちがどのような感想を持っていたのかということを視覚的にも感じることができる。

筆者もこの「はなせる美術館」を体験させていただいた。マイクに向かって話しかけると、遠隔でつながったファシリテーターが「この絵を見てどんなイメージがわきますか?」「使われている色だとどこらへんの色が好きですか?」というように質問を投げかけてくれるため、自分の思った感想を素直に返答することができる。

人と話すのが苦手な人や、アートに詳しくないから専門の人と話すのは気が引けるという人であっても、アバターとの会話であればハードルが低いだろう。

このサービスは実証実験中で、実用化はまだ先とのことだったが、いつかアバターと最新技術で歴史的なアートを語り合う未来がやってくるかもしれない。