エイチ・アイ・エス(HIS)は8月30日、同社が66.67%出資するテーマパークを運営するハウステンボスを、香港の投資会社であるPAGに売却すると発表した。売却額は666億円。ハウステンボスは残りの33.33%を出資する九州電力、西部ガスホールディングス、九電工、九州旅客鉄道、西日本鉄道の持ち株を買い取る予定。
株式譲渡日は9月30日を予定しており、ハウステンボスはPAGの100%子会社となって営業を続ける。HISは株式譲渡に伴い、2022年10月期第4四半期の個別決算において、関係会社株式売却益として646億円の特別利益を計上する予定。また、連結決算において特別利益を計上する予定だが、金額は精査中で精査完了後に開示するとのことだ。
HISは2010年4月にハウステンボスへの出資を開始。開業以来18年赤字が続いていたハウステンボスを黒字化させ、HIS傘下になった年より10期連続黒字化を達成した。新型コロナウイルス感染症の影響を受け直近事業年度は赤字に転じたが、開業30周年事業の施策も展開し、今期は黒字化の見込みという。
ハウステンボスを買収するPAGは、エンターテインメント業界の投資に注力している。2013年12月にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユー・エス・ジェイ(現合同会社ユー・エス・ジェイ)へ出資している。PAGは今後、ハウステンボスのアトラクション導入・イベント投資によりテーマパーク事業を拡大していく考えだ。