サイバーセキュリティクラウドは8月25日、全国の16業種で働く有職者300名を対象に実施した、サイバーセキュリティに関する意識調査の結果を発表した。
調査対象は「建設業」「製造業」「通信業/放送業/広告業/映像・音声・文字情報制作業」、「情報サービス業・インターネット附随サービス業」、「運輸業/郵便業」、「卸売業/小売業」、「金融業/保険業」、「不動産業/物品賃貸業」、「学術研究/技術サービス業」、「学校教育/学習支援業」、「宿泊業/飲食サービス業」、「生活関連サービス業/旅行業/娯楽業」、「医療/福祉業」「サービス業」「公務」「農業/林業/漁業/鉱業/採石業/砂利採取業」の16業種。
同調査は、同社が企業におけるセキュリティ対策の度合いを測る基準として新たに策定した「組織としての対応」を9項目、「従業員としての実務対応」を5項目の計14個のチェック項目を有した「サイバー防御力チェックリスト」を用いて測定し、満点である14ポイントを獲得することで「サイバー防御力が一定水準である」と定義する考えをもとに行われた。
サイバー防御力をすべて満たしている業種は「通信業/放送業/広告業/映像・音声・文字情報制作業」、「情報サービス業/インターネット附随サービス業」、「金融業/保険業」の3業種のみだと判明した。
さらに、サイバー防御力が一定水準未満と捉えられる13ポイント以下の業種は、全体の約8割である13業種にも上っており、特に「宿泊業/飲食サービス業」では、消費者の情報を取り扱う機会が多く、サイバー攻撃を受けると宿泊者情報等が漏洩するなどの事態に発展する懸念もあるにもかかわらず最下位という結果になってしまっているという。また、EC事業を含む「卸売業/小売業」でも獲得ポイントはわずか6ポイントにとどまっている。
「勤めている企業では、セキュリティ対策について不安だと感じることはない」という質問に対し、「不安に感じる」と回答した人は、16業種全体で半数以上の64%となり、多くの従業員がサイバーセキュリティ対策に不安を持っていることがわかった。これに対し、サイバー防御力が一定水準である、「情報サービス業/インターネット附随サービス業」では、セキュリティ対策に不安のない人が64%と最も高い結果となったという。
「企業のセキュリティ意識に問題があると思うか」という問いについては、「問題がある」と回答した業界従事者は全体で34%と低く、全体でみると問題意識を持っている人は少ないことが明らかになった。
一方で、「セキュリティ意識」に問題があると答える回答者数が多い、「不動産業/物品賃貸業」、「運輸業/郵便業」、「医療/福祉業」では、軒並み獲得ポイントが半分(7ポイント)以下でサイバー防御力が比較的に低い業種であるという結果になったという。また「セキュリティ意識に問題がある理由」については、上記3業種すべてで「社員のセキュリティ意識が充分でないから」という理由が挙げられている。これより、同社はサイバー防御力の低さは従業員からも問題意識を持たれており、社員のセキュリティ意識の低さがセキュリティ対策への不安感にもつながっているとの見方を示している。