タキイ種苗は7月29日、スマート農業への取り組みの一環として、徳島大学と共同でラジコンを用いた農作業支援装置の実証実験を2022年8月から開始すると発表した。同社は生産圃場や農業用ハウス内での実証実験・改良を重ね、2023年夏に農作業支援装置の完成を目指す。

なお、想定販売価格は未定だが、市販のラジコン装置を利用することで生産者が導入しやすい価格に設定できるよう研究を進めるという。

  • ラジコン車を活用した農作業支援装置のイメージ

    ラジコン車を活用した農作業支援装置のイメージ

農作業支援装置の使用シーンとしては、ハウス内の栽培ベンチ下への送風ダクトの設置、連棟ハウスの遮熱剤(遮熱塗料)の塗布、施設内の清掃作業、畝間(通路)の除草作業、ニンジン栽培などトンネル内への灌水チューブの設置、葉菜類圃場での灌水チューブの設置が想定されている。

今回の実証実験では、50メートル以上の距離を何度も往復する作業の支援が可能で、人の歩行速度以上の速度が出せ、市販品で入手が可能であるラジコン車を用いて農作業支援を行うというコンセプトの下で、農作業支援装置の実証を行う。

農作物を育てる圃場の表面は起伏や凹凸があり、遠くに離れた場合に操作が困難になる。そのため、車載カメラやモニタ、センサ、入力操作補助などを用いて、農業従事者でも簡単に圃場での直進操作ができるような操作補助方法を検討するという。