CCCマーケティングとトレジャーデータは7月28日、CDP(Customer Data Platform)領域において業務提携を行い、同意取得済のT会員データ(Tポイントデータ)を、生活者のライフスタイルを基点とした情報プラットフォーム「CDP for LIFESTYLE Insights」として8月から提供を開始すると発表した。
2022年3月現在、名寄せをし重複を排除したT会員数は7025万人で、週間の利用者は2469万人、月間利用者は4175万人だという。この会員により、年間35億件以上の購買トランザクション、15万店舗のネットワークで扱われる60億種類の商品データ、数千項目からなる顧客DNAのペルソナデータ、 オフライン・オンライン上の移動・行動データやメディア接触データ、またCCCマーケティンググループオリジナルのエンハンスデータなとが得られ、データベースに蓄えられている。
CCCが持つデータベースには性別、生年月日、居住地などの会員属性のほか、既婚/未婚、子供の有無などアンケートによるライフスタイル情報(全25項目)、衣・食・住などの志向性データ(全370項目以上)を持っている。購買履歴は、Tポイント加盟店であるスーパー、ドラックストア、コンビニなどやTSUTAYAがあり、今後は1秒単位のテレビ視聴データも取り込む予定だという。
志向性データは、おしゃれ好き、新商品好き、社交的など、370項目以上の「志向性フラグ」を機械学習を通して会員全員に割り当てているという。
CCCマーケティングは、今後、これらのデータを「UNIQUE DATA +(ユニークデータ プラス)」としてオープン化していく予定で、第一弾として、「Treasure Data CDP」を提供するトレジャーデータと協業し、T会員データにトレジャーデータが有するデータ活用技術の掛け合わせ、「CDP for LIFESTYLE Insights」として提供する。
CCCマーケティング 代表取締役社長 田代誠氏は、「今後は単なるデータプロバイダとしての位置づけではなく、個人のライフスタイルと社会をつなぐことを目的に事業をやっていく。顧客価値を共創するデータを提供するソリューションとして、「UNIQUE DATA +(プラス)」を本日発表する。その最初のパートナーとしてトレジャーデータ様とフェアでオープンなデータプラットフォームを作っていく」と述べたほか、トレジャーデータ 代表取締役社長 三浦喬氏は、「CDPを使うことで、ユーザー体験を最適化し、お客様の豊かさをさらに追及できるが、自社データのみでは難しい。やはり、データプラットフォーマーとの連携が必要だ。そこで、CCCマーケティングさんと協業することで、唯一無二のソリューションを作ることができる」と提携の理由を説明した。
「CDP for LIFESTYLE Insights」は、 CCCマーケティングのT会員データをセキュアな環境下でプライバシーを保護した上で、トレジャーデータが有するデータ活用技術の掛け合わせにより提供される。利用する各企業がもっている自社データ(1st Party)を個人識別子単位で事前に同意を得たT会員データと連携できる点が大きな特徴だ。CCCから企業にデータを戻すところが第三者提供になるので、CCCのT会員の事前同意が今回のポイントになります。個別識別子は、メールアドレスか電話番号のいずれかになるという。そして、連携したデータは、企業側のCDPに取り込むことができる。なお、個別識別子以外の個人属性データは利用しないという。
「これによってCRMデータを最大化でき、企業のメルマガの出し分けにも利用できる。TポイントデータはPOSと連携しているので、決済データが個別の商品データごとに得られる点は、他の決済データと異なる点だ」(CCCマーケティング ビジネスディベロップメント GM 島田正明氏)
トレジャーデータは、データクリーンルーム領域において、LINEやYahoo!と提携しているが、今回のサービスはそれとは異なるという。
「技術的な面でデータクリーンルームと異なる点がある。いくつかあるが、1つは個人識別子で連携できる点。また、データクリーンルームは統計値としてつないでいくもので、50人以下のクエリー結果が出た場合は、結果を提供しないなどの違いがある」(トレジャーデータ COO 小澤正治氏)
今後両社は、「Treasure Data CDP」のユーザーに「CDP for LIFESTYLE Insights」を販売し、1年間で30社の導入を目指すという。