NTTリミテッド・ジャパン、米PC Landing、三井物産、JA三井リースは7月12日、日本と米国西海岸をつなぐ大規模海底通信ケーブル「JUNO(ジュノ)」を建設・運営する新会社セレンジュノネットワークの設立を発表した。同社は、海底ケーブルの計画から通信回線の販売や、大手テック企業や各国の通信事業者などへの良質な通信サービスの提供など、米国とアジア各国の通信環境を支える事業を展開していく。

JUNOは日本の千葉県・三重県と米国のカリフォルニアを結び、総延長距離は約1万キロメートルとなる。SDM(Space Division Multiplexing、空間多重)技術の導入により、同ケーブル1本あたりの光ファイバー収容数を従来の16ファイバーペア(32芯)から20ファイバーペア(40芯)までの拡張が可能なため、総通信容量は350テラビット(Tbps)となることが期待されている。ケーブルの運用開始は2024年末を予定している。

  • 海底通信ケーブル「JUNO」のイメージ

    海底通信ケーブル「JUNO」のイメージ

JUNOの敷設により日本の陸揚げ局2拠点から米国への通信ルートを確保することで、日本近海での自然災害に対する対障害性を維持するねらいだ。また、波長選択スイッチ(Wavelength Selective Switch、WSS)機能を用いて各ルートの通信波長帯域を遠隔から変更することで、ビジネスニーズや通信トラフィックの需要変化にも対応可能だという。