日本科学未来館(東京都江東区 以下、未来館)は7月8日に「Miraikan for 2030 プラン発表会」を開催し、Miraikanビジョン2030「あなたとともに『未来』をつくるプラットフォーム」の実現に向けた新スローガン「Mirai can _!(ミライ キャン)=“未来は、かなえるものへ。”」を掲げる方針を示した。

これに合わせて、未来館では7月8日から10日までの3日間「Mirai can FES -ミライキャンフェス-」(以下、Mirai can FES)を開催する。同館初の全館イベントとなる今回は、「Mirai can _!」のテーマに沿った15プログラムを展示している。

この3日間は常設展を無料で開放するほか、特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」を特別料金で開放する。

  • 「Mirai can FES」のエントランス

    「Mirai can FES」のエントランス

2021年4月に未来館の館長に就任した浅川智恵子氏はプラン発表会に登壇し「国内の多くの地域で6月中に梅雨が明けて猛暑に襲われるなど、異常気象に関するニュースが世間を賑わせている。新型コロナウイルスの流行や災害の発生、世界情勢の悪化などによって、未来を暗いものに感じて不安に思う人もいるだろう。こうした状況の中で、当館は皆さんが前向きな未来について考えられるよう、未来館の名前に恥じない役割を果たしていきたい」と力強く挨拶を述べた。

  • 未来館の館長を務める浅川智恵子氏

    未来館の館長を務める浅川智恵子氏

新スローガンである「Mirai can _!」のポイントは、canの後に続く空白部分だ。ここに来場者それぞれの願いを記すことで一人一人のスローガンが完成する。未来館では一人一人の願いに目を向け、その実現を手助けするための場になりたいとしている。

  • 会場では思い思いの「Mirai can _!」を記せる

    会場では思い思いの「Mirai can _!」を記せる

ちなみに、浅川氏のスローガンは「Mirai can 一人でホノルルマラソンに参加する!」だという。同氏は小学校5年生のときの事故によって両目の視力を失ってしまった。しかし、一人で安全にホノルルまで移動して快適に移動できるよう、視覚障害者向けの移動支援ロボット「AIスーツケース」の開発などに携わっている。2030年にホノルルで快適に走れるよう、地球環境問題などにも注視するようだ。

  • 移動支援ロボット「AIスーツケース」

    移動支援ロボット「AIスーツケース」

プラン発表会には、元乃木坂46のメンバーでラジオ番組「SDGs MAGAZINE」のパーソナリティを務める新内眞衣氏も登壇した。同氏は飲食店でアルバイトをしていた経験に触れて「SDGsとしては食品ロスに関心がある。料理は自分が食べきれる分だけ作る、足がはやい食品は冷凍庫に入れるなど、小さなことだが心掛けている。料理が得意というわけではないが、ブロッコリーの茎も細かく切って調理している」などとコメントしていた。

  • 浅川氏と新内氏のトークセッションの様子

    浅川氏と新内氏のトークセッションの様子

新内氏が掲げる「Mirai can _!」は、「宇宙スタジオから生放送」だ。「今はまだ宇宙がすごく遠い存在に感じるが、宇宙から放送できるくらい身近になってほしい。宇宙から見た景色を臨場感のあるレポートにしたい」と述べ、笑顔を見せていた。

  • 新内眞衣氏

    新内眞衣氏