現在、世界中の企業がクラウドサービスの利用を進めている。その動向に陰りは見えず、クラウドは今後も成長を続ける可能性が高い。米O'Reilly Mediaは7月2日(現地時間)2022年の調査ではクラウドに関連するソフトウェア開発者や運用スタッフといったクラウドプロフェッショナルの「給与」に関する調査「2022 Cloud Salary Survey – O’Reilly」の結果を発表した。同調査の結果においても、クラウドプロフェッショナルは給与も右肩上がりであることが示されている。

  • 2022 Cloud Salary Survey – O’Reilly

    2022 Cloud Salary Survey – O’Reilly

同調査は2022年4月4日から2022年4月15日まで、Infrastructure & Ops Newsletterを受信している米国居住のユーザーを対象に実施されたもの。異なる国の給与は直接比較できないことから、対象を米国に絞っている。有効回答は778件で、43の州とワシントンDCのユーザーから回答が得られている。

調査結果の主な内容は次のとおり。

  • 調査回答者の平均給与は182,000ドル(本稿執筆時為替換算で約2,470万円)
  • 過去1年間の平均給与上昇率は4.3%
  • 過去1年間で雇用主を変更したユーザーは20%
  • 回答者の25%が給与アップのために転職予定
  • 回答者の63%が常にテレワークを実施
  • 回答者の94%が週に1回はテレワークを実施
  • 女性の平均給与は男性の平均給与よりも7%低い
  • 過去1年間で40時間以上の研修に参加したユーザーはより高い昇給を実現

調査回答者の平均給与は182,000ドルと、クラウドプロフェッショナルの給与は平均してかなり高いことが明らかになった。O'Reilly Mediaは、転職がこうした高い基準での給与状況を生んでいると分析している。人材が不足している状況であるため、多くの雇用主が必要なスタッフを得るためにきわめて高い給与を提供している。現在の雇用にとどまることで得られる昇給は4%ほどだが、転職することで20%以上の昇給が実現できる状況であるため、転職が進み給与の高い状態が続いているという。

同調査は、クラウドサービスプロバイダーが運営している認定プログラムの実態も明らかにしている。Microsoft Azure、Amazon Web Services、GoogleCloudという3つの主要なクラウドサービスの認定資格を取得している人が多かったが、Google Cloud Certified Professional Cloud Architectを取得した人の給与が最も高く(23万1,000ドル)で、昇給の上昇率も7.1%と高かったという。

  • 認定資格別の平均給与 資料:「2022 Cloud Salary Survey – O’Reilly」

同調査で利用しているクラウドサービスを聞いたところ、AWSが72%と最も利用率が高く、これにMicrosoft Azure(42%)とGoogle Cloud(31%)が続いている。2つの調査結果から、O'Reilly Mediaは、Googleのツールとサービスに精通した人材を見つけることは難しく、給与を引き上げていると指摘している。

  • 認定資格別の平均昇給率 資料:「2022 Cloud Salary Survey – O’Reilly」