BuzzFeed Newsは6月17日(米国時間)、「US TikTok User Data Has Been Repeatedly Accessed From China, Leaked Audio Shows」において、TikTokの米国内の非公開データが中国から繰り返しアクセスされていたと伝えた。BuZZFeed Newsが入手したTikTokの内部会議の音声記録によると、中国在住のTikiTokエンジニアが米国内にあるTikTokユーザに関する非公開のプライバシー情報などを含むデータに繰り返しアクセスしていたという。

TikTokは中国企業のByteDanceによって開発されているSNSモバイルアプリ。中国国内だけなく米国内においても多数の愛用者が存在する。近年、TikTokユーザーの個人情報を中国政府が収集している可能性があるとして、米国政府が警戒を強めているアプリでもある。

こうした批判に対し、ByteDanceは米国民のTikTokユーザーデータは中国ではなく米国内で保管し、バックアップデータをシンガポールで管理していると発表している。一方でリークされたTikTokの内部会議の会話から、少なくとも2021年9月から2022年1月の間に米国内にある非公開のTikTokデータに対して、中国のTikTok従業員からアクセスがあったことが判明した。これはTikTokデータが中国に流出した可能性を示唆している。

現在、ByteDanceは米国内のTikiTok非公開データを保護するため、Oracleが管理しているデータセンターに移管する取り組みを行っている。まだ、シンガポールのデータセンターも利用されているが、将来は完全に米国内にあるOracleのデータセンターのみに移行されるとしている。

ちなみに、日本でも若者を中心にTikTokの人気は高く、マーケティングツールとして注目を集めている。では、日本のユーザーのデータはどこに保管されているのか。TikTokのプライバシーポリシーでは、「収集するお客様に関する情報は、お客様の居住国以外の国、シンガポールおよび米国に所在するサーバー上に保管される」とあり、米国内のユーザーデータと同じ扱いになるようだ。

BuzzFeed Newsは、この取り組みが完了したとしてもTikTokが中国企業によって開発されているアプリであり、中国国内にあるByteDanceオフィスからOracleデータセンターのTikTokデータにアクセスできる可能性は残されていると伝えている。