三菱電機と竹中工務店、アクティオの3社は18日、レーザー光活用の測量システム「ドップラーライダー」で建設現場の風況を可視化し、現場の安全性と生産性の向上を図る風況データソリューションの有効性を確認したことを発表した。実証実験はアクティオ大阪DLセンターで竹中工務店のサポートのもと3月2日から4日に実施。実証実験に活用されるドップラーライダーとソリューションは、三菱電機が開発している。

  • 風況データソリューション(同社資料より)

    風況データソリューション(同社資料より)

実証実験の様子(同社資料より)

「ドップラーライダー」と実証実験の様子(同社資料より)

ドップラーライダーは、単一周波数のパルスレーザーで大気中のちりや微粒子の動きを捉え風速・風向を計測できる装置で、得られた風向情報をBIツールでリアルタイムに可視化し、現場監督や作業員に情報を伝達し適切な判断や意思決定をサポートする。三菱電機のAI「Maisart(マイサート)」も活用されており、機械学習により現場特有の風況予測し、APIで他のアプリケーションとの連携も可能だという。建設現場での風の問題は、高層マンション建設時のタワークレーンや工事用エレベーター運用における重要な課題の一つで、建設業界では、気象条件を適切に把握し重機運用のサポートを行うことができるソリューションが求められていた。3社は今回の実証実験によりシステムの有効性が確認されたことから、2023年度中に三菱電機の建設業向けソリューションとして提供すべく今後も実証実験を重ね、開発を進めていくとしている。

  • 「風況データ利活用サービス」(同社資料より)

    「風況データ利活用サービス」(同社資料より)