AlmaLinux OS Foundationによって開発されている「AlmaLinux」は、CentOSの代替となることを目的として登場した無償利用可能なLinuxディストリビューションである。このAlmaLinuxが、Windows Subsystem for Linux(WSL)で使用できるようになった。WSLが有効になっているWindows 10および11では、2022年4月1日以降、Microsoft StoreからAlmaLinuxをダウロードしてインストールできる。
AlmaLinux登場のきっかけは、CentOSを開発していたRed Hatによる方針の転換である。CentOSは、商用Linuxである「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」とのバイナリ互換性を持ったオープンソース版としてRed Hatによって開発されていた。しかしRed Hatは、2020年12月にダウンストリームバージョンのCentOSの開発を中止し、RHELのプレビュー版という位置付けのCentOS Streamの開発に注力する方針を発表した。これは、RHELとバイナリ互換のあるオープンソース版Linuxが廃止されることを意味している。
この発表を受けて、従来のCentOSユーザーの受け皿になるべく開発されたのがAlmaLinuxというわけだ。もともとは商用ディストリビューションのCloudLinuxを提供しているCloudLinux社が開発し、その後The AlmaLinux OS Foundationが設立されて、開発の管理を引き継いだ。
Red Hatは自社のLinuxディストリビューションをWSLで動作させることに積極的ではなかっため、CentOSがMicrosoft Storeに登場することはなかった。それに対して、Microsoft Store経由で利用できるようになったことで、AlmaLinuxはよりWindowsユーザーにとって身近な存在になりそうだ。