米Googleは3月31日(現地時間)、「Chrome」のCanary版で、Topics、FLEDGE、Attribution Reportingといったプライバシーサンドボックス関連機能のAPIテストを開始した。

同社は、ChromeでのサードパーティCookieのサポートを2023年末までに廃止する計画を掲げている。それと平行して、Web利用者のプライバシーを優先した新たなオンライン広告のエコシステム作りを進めている。

Topicsは、オンライン広告の新たなエコシステムとして今年1月に発表したインタレストベース広告向けのプライバシーサンドボックスだ。「フィットネス」や「旅行・交通」といった数多くのトピックから、Web利用者のブラウジング履歴をもとにユーザーの関心に当てはまるトピックをブラウザ上で選択する。そして過去3週間に選んだトピックから3つを、そのサイトや広告パートナーと共有する。

FLEDGEは、ブラウザ上で広告枠のオークションを処理する仕組みだ。Webユーザーの情報がCookieベースでアドサーバーに送られ、アドサーバーで入札が行われる従来の仕組みに対して、FLEDGEではブラウザで保存・管理されるユーザーデータを用いてブラウザ上で広告決定処理を行うことで、ユーザーのプライバシー保護とターゲティング広告を両立させようとしている。

Attribution Reporting APIは、サードパーティCookieを用いることなく広告コンバージョンを分析する。データ制限、変換データの通知、レポートのスケジューリングなどでプライバシーを保護しながら、ユーザーの操作が広告コンバージョンにつながるタイミングを測定する。

Chromeでは、Topicsで記録されているトピックをユーザーが確認し、共有したくないトピックを削除したり、機能を完全に無効化できるユーザーコントロールを用意する予定だ。Canary版でのテストに合わせて、プライバシーサンドボックスの設定とユーザーインターフェイスもアップデートし、それらのテストも開始する。

開発者によるAPIの導入、データフローの検証、パフォーマンス計測にはある程度の時間が必要になる。新しいプライバシーサンドボックスに関して幅広いフィードバックを収集できるように、Googleは可能な限り早くChrome Beta版での少数グループによるAPIテストを開始する計画だ。Beta版でのテストが円滑に進み始めたら、安定版のChromeでも利用できるようにし、より多くのChromeユーザーにテストを拡大したい考えを示している。