アメリカ連邦調査局(FBI: Federal Bureau of Investigation)は3月10日(米国時間)、「Internet Crime Complaint Center (IC3)|FBI Warns of the Impersonation of Law Enforcement and Government Officials」において「法執行機関や政府関係者になりすました詐欺」について注意を呼びかけた。法執行機関や政府関係者になりすまし、金銭を脅し取ったり個人情報を窃取しようとする詐欺が横行しているという。

  • Internet Crime Complaint Center (IC3)|FBI Warns of the Impersonation of Law Enforcement and Government Officials

    Internet Crime Complaint Center (IC3)|FBI Warns of the Impersonation of Law Enforcement and Government Officials

詐欺の手口は絶えず変化しているものの、次のような共通の特徴があると指摘されている。

  • 被害者のIDが麻薬取引やマネーロンダリングなどの犯罪に使われたと主張し、社会保障番号、生年月日、IDなどを確認するように要求される。告訴の取り下げや真犯人捜査の支援には協力金の支払いが必要であり、支払いがない場合は逮捕・起訴・投獄されると脅される。
  • 陪審員としての義務を果たさなかったことを理由に罰金の支払いを要求される。
  • 裁判の期日に間に合わないとして、支払いを拒否した場合は逮捕状が出ると脅される。
  • パスポートや運転免許証の更新に関する情報要求メッセージが送信されてくる。
  • 医師免許の有効期限切れや医師免許が犯罪に利用されたと警告するメールが送られてくる。免許の登録や取り消しで脅迫し、免許更新の支払いを強いられる。

FBIは呼びかけの中で、法執行機関や政府関係者が一般市民や開業医に電話をかけ、何らかの形で支払いを要求したり、個人情報や機密情報の開示を要求したりすることは決していないと指摘。合法的な調査や法的措置は直接または正式や書簡によって行われるとしている。また、必ず相手の身分証明書の確認を行うことなどを推奨している。

FBIは犯罪の被害にあった場合、すぐに詐欺師との連絡を断つこと、地域の警察へ通報すること、金融機関に連絡して金融資産を保護すること、プリペイドカードや銀行口座の記録・電話・テキスト・電子メールコミュニケーションなどにおける金融取引に関する情報をすべて保管しておくなどの行動を取ることをアドバイスしている。