京都大学 学術情報メディアセンター、Local24、東北大学 サイバーサイエンスセンター、国立情報学研究所(NII)の4者は2月14日、情報通信研究機構(NICT)による「Beyond 5G研究開発促進事業」の「Beyond 5G国際共同研究型プログラム」に採択され、「次世代公衆無線LANローミングを用いたオープンかつセキュアなBeyond 5Gモバイルデータオフローディング」を課題とし、欧州GEANTをEU側研究分担者とする国際共同研究を開始したと発表した。
この研究開発には、研究実施協力者としてインターネットイニシアティブ(IIJ)が、また社会実装協力者としてアイ・オー・データ機器がそれぞれ参画し協力する。
今回の研究開発では、国際学術無線LANローミングの枠組みであるeduroamを推進してきた欧州GEANTと共同で、次世代公衆無線LANローミングであるOpenRoamingを、eduroamや、一般の店舗、商店街、施設、地方公共団体などが提供する無料の公衆Wi-Fiサービスにおいて幅広く利用できるようにするための技術を確立し、Wi-Fi接続をどこでも可能にするという。
その上で、eduroamで培った認証連携技術を利用し、大学など学術研究機関のユーザーの所属機関などで認証とモバイルキャリアのSIM認証を連携させる。
また、 OpenRoamingにおいてユーザーの所属機関・属性に応じてローカルネットワーク資源へのアクセスを制御し低遅延でのアクセスを実現できるような、Beyond 5Gにふさわしいオープンかつセキュアなモバイルデータオフローディングを実現するとのこと。
さらに、岡山大学と連携し、狭域では高速かつ低遅延だが広域では相対的に不安定になりがちなWi-Fi通信をモバイル通信(携帯電話パケット網)と同時利用し特性に応じた使い分けができるように、新世代のトランスポートプロトコルであるQUICのmultipath拡張を利用した動的な通信経路選択機構に着目し、そのmultipath拡張における動的経路選択機構を研究開発する。
研究実施協力者として参画するIIJは、フルMVNOとしてモバイルネットワークの提供および、SIM/eSIMの提供・技術支援を行う。
一方、OpenRoamingの普及にはPasspoint対応の無線機器の安定供給が不可欠であり、社会実装協力者として参画するアイ・オー・データは、技術協力によりOpenRoaming対応無線LANアクセスポイントの製品化へ向けた検討を行う。
IIJとアイ・オー・データの参画により、研究開発を効率よく行える環境を構築しつつ、社会実装も視野に入れた研究開発を進めるとのことだ。