新潟医療福祉大学は2月1日、1日3秒間、5日間(平日)連続の全力の伸張性収縮を4週間実施することで筋力が上がることを確認したと発表した。

同成果は、同大 理学療法学科 応用理学療法Labの佐藤成氏(博士後期課程1年、運動機能医科学研究所)、同 吉田麗玖氏(修士課程1年、運動機能医科学研究所)、同大 理学療法学科4年生の村越ふう氏,同4年生の佐々木勇人氏、同大 理学療法学科 応用理学療法Labの中村雅俊 講師(運動機能医科学研究所)らによるもの。詳細は、スポーツ・健康科学分野の学術雑誌である「Scandinavian Journal of Medicine and Science in Sports」に掲載される予定だという。

筋肉の増強のためにはトレーニングが必要だが、臨床やスポーツの現場などでは時間的な制約があるため、効率的なトレーニング手法を取り入れる必要がある。こうした背景から、研究チームは今回、平日だけ3秒間の全力の筋収縮をすることで筋力が増加するか否か、ならびにその筋収縮の種類の違いによって効果が異なるのかについての研究を行ったという。

その結果、トレーニング効果が大きい伸張性収縮を全力で1日3秒間、5日間連続(平日のみ)、4週間実施することで筋力が上昇することを確認したという。

研究チームでは、通常のレジスタンストレーニング(筋力トレーニング)ではダンベルやバーベルを使って、疲労困憊するまで行うイメージがあるが、1日1回でも全力で力を入れることで筋力がアップすることはリハビリでも応用が可能な研究成果ではないかと考えられるとしており、今後は、伸張性収縮をリハビリテーションやスポーツ現場で応用可能な方法として構築していきたいとしている。

  • 筋力の増加量

    1日3秒間の全力の伸張性収縮による腕の筋力の増加量 (出所:新潟医療福祉大Webサイト)