サイトコアは1月27日、日本市場向けにSaaSベースのコマースソリューション「Sitecore OrderCloud」の提供を開始すると発表した。同日より提供を開始した。

「Sitecore OrderCloud」は、Sitecoreが昨年の4月に買収を発表したFour51の技術を基盤とした製品。Sitecore コンポーザブル DXP(デジタルエクスペリエンスプラットフォーム)上で他のソリューションと連携するほか、単体でも導入が可能。

製品管理、オーダー管理、サプライヤー管理、B2B管理機能などが提供される。

  • 「Sitecore OrderCloud」で提供される機能

「Sitecore OrderCloud」は、フロントエンドとバックエンドが完全に分離されているヘッドレスプラットフォームであることが特徴。ヘッドレスとは、フロントなるWebと実際の処理を行うバックエンドのロジックが分離しているもの。そのため、同じロジックを使って、別ブランドのサイトを立ちあげるといったことが可能になる。フロントのWebからAPIを呼び出して利用する。

サイトコア プリセールス シニアマネージャー 原水真一氏

サイトコア プリセールス シニアマネージャー 原水真一氏は、「従来のCommerce ソリューション(Sitecore Experience Commerceなど)では、Webサイトがバックエンドのアプリケーションと密になって動いている。このアーキテクチャの一番大きな課題はスケーラビリティだ。大量のトラフィックがあった場合コンピュータリソースが必要になる。Sitecore OrderCloudのようなヘッドレスコマースソリューションは、実際のシステムはバックエンドだけで動く。Webサイトにアクセスがきても、必要なときだけバックエンッドに問い合わせをするという運用ができる。米国ではヘッドレスコマースソリューションが主流になりつつある」と語った。

  • 従来のCommerceソリューションとヘッドレスコマースソリューション

同社は、それぞれの機能を独立して提供するマイクロサービスアーキテクチャを採用しており、「Sitecore OrderCloud」はAPIを使って利用するため、他のシステムと連携しやすい、機能を拡張しやすいといったメリットがあるという。すべての機能はAPI で公開されており、2つ以上のアプリケーションやサービスを結びつけることが可能。SaleforceのCRMについても、連携するAPIが提供されているという。

  • 「Sitecore OrderCloud」の商品管理画面

  • 「Sitecore OrderCloud」の注文管理画面

開発環境はWindows、macOSおよびLinuxなどのプラットフォームの選択が可能で、Next.jsやAngularを利用したサンプルも提供する。

また、開発環境として分離された環境であるSandboxが無料で提供されるほか、テスト用のStaging環境もあり、段階的なリリースが可能だという。

そのほか、「Sitecore OrderCloud」では、2021年11月に日本での提供を開始したSitecore CDP +Sitecore Personalizeと連携させることで、自社が保有する顧客の行動を分析・把握し、好みやニーズに合わせたパーソナライズされたウェブサイトを構築でき、コンテンツマネジメントシステム(CMS)を導入している場合には、SitecoreのContent Hub、OrderCloud、CDP、Personalizeを統合することで、ウェブサイトの機能の強化、顧客体験の向上、収益増加を支援することができるという。

なお同社は、今回の発表に併せて日本のデータセンターの利用が可能となり、「Sitecore OrderCloud」でも選択可能となっている。