日立製作所(日立)は1月26日、列車やバスなどの公共交通事業者向けに、乗客の流れを予測・シミュレーションして、混雑情報の分析結果を提供する「人流予測情報提供サービス」の販売を1月27日より開始すると発表した。
同サービスは、日立独自のAI(人口知能)・シミュレーション技術を活用して、交通事業者が保有する発着場所別の人数データや時刻表データを解析し列車の乗車人数を推定し、駅や列車の利用者数や利用者の移動時間などを出力し提供するもの。
各列車の混雑度合いを分析し、過去の混雑状況の再現や将来の予測を行うことが可能。利用者向けに、駅や車両ごとの混雑情報を配信することで、「密」を回避し、交通事業者に対しては、列車の運行本数や運行間隔の見直しなど、輸送業務における運用コスト削減を支援する。
日立のAI・シミュレーション技術は、移動需要を出発地と到着地の組み合わせの単位で予測し、時刻表データをもとに列車に割り当てるため、駅を通過する利用者の目的地別の割合や、乗客の移動時間や列車待ち時間といった情報を出力することも可能。
また、専用システムによる導入コストが不要であるほか、分析の頻度や期間に応じて提供可能な月額利用のサービスとして開始する。編成ごと、駅間ごとの乗員人数や利用者の移動時間の分析結果をCSV形式の帳票や、情報配信サービス向けの画像形式で提供するとのこと。
同社は今後、ポイント管理システムなどから得られる会員情報や購買データなど外部システムのデータと組み合わせ、沿線住民向けサービスの向上や需要にもとづく都市開発といった新たなサービス創出し、分析メニューの拡充する方針だ。