島津製作所は、検体プール検査法(プール法)用の検体前処理装置「Amprep(アンプレップ)」を国内で発売したことを1月6日に発表した。

プール法は、個別検査とは異なり、複数の個別検体を混合したプール検体を調べることにより、検査に要する時間・費用を削減する方法。検査で陽性が判明した場合に、プールした個別の検体をそれぞれ検査して陽性検体を特定する必要があるため、プール法は陽性率が低い時期のスクリーニング検査に適している。同社によれば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの検査において作業効率やコストの面からプール法のニーズが高まっているという。

しかし、作業者による検体の分注・攪拌作業が増えるため、検体間のコンタミ、検体取り違え、感染リスクが高まるという課題があり、クリニックなどの小規模医療施設でも簡便で迅速に前処理ができるシステムが求められていた。

発売を開始したAmprepは、全自動でプール検体を調整でき、手作業が介在しないため直接検体に触れる機会を減らすことが可能とのことだ。

ほかにも「1プール検体の調整に要する所要時間が15分と短時間なこと」や「幅305mm×奥行655mm×高さ660mmとコンパクトで設置しやすい」といった点を特徴として挙げている。

同社は2020年11月に小型・簡易操作・低価格を特徴とする全自動のリアルタイムPCR装置「AutoAmp」を発売しており、同装置と組み合わせて使用できる前処理装置として、Amprepを発売したとのことだ。

  • 製品写真

    「検体前処理装置Amprep」(左端)と「遺伝子解析装置AutoAmp」(右2台)(提供:島津製作所)

AmprepはAutoAmpの機構を基に開発しており、Amprepで調製したプール検体はラックごとAutoAmpへセットすることが可能だという。

検体情報を専用ソフトウエアでAmprepからAutoAmpへ引き継ぐことで検査業務の生産性を向上させることができるとしている。